1月28日、龍谷大学経済学部の竹中正治教授は、ドル円レートについて、目先は既存の円売り持高の巻き戻しで円高方向に動いたとしても、中期的な円安基調は継続する可能性が高いと指摘。提供写真(2014年 ロイター) 経常収支の赤字が大きいなどファンダメンタルな脆弱性を抱える新興国の経済・金融面の動揺で、為替相場と株価は再び波乱局面に入る雲行きだ。これら新興国は「フラジャイル5」(インド、インドネシア、ブラジル、トルコ、南アフリカ)と呼ばれているが、直近ではアルゼンチンも加わって「フラジャイル6」となっている。 米国の量的金融緩和縮小が新興国から投資資金の引き揚げを起こし、それが動揺の原因となっているとの解説が一般には流布しているが、やや近視眼的な見方だろう。昨年7月30日掲載の本コラム「新興国襲ったドルキャリー巻き戻しの残存リスク」で指摘した通り、経済協力開発機構(OECD)の景気動向指数を見れば