最後まで混迷が続いた臨時国会の最終盤に、岸田文雄首相が「独断専行」で打ち出した「巨額防衛費の財源を増税で賄う」との方針が、国民や野党だけでなく自民党内でも大炎上し、「防衛増税」政局の様相を呈したが、結果的に決着先送りの「妥協案」で短期収束となった。 この師走の騒動の舞台裏を探ると、「党内最大派閥の安倍派内の覇権争いが浮き彫り」(自民党長老)ともなる。このため与党内では「結果的に、政局を装った手の込んだ“猿芝居”だったのでは」(同)との冷ややかな見方が広がる。 「5年間の防衛費総額43兆円」とするように支持 永田町が政局がらみの騒ぎに沸いたのは、臨時国会会期末を前に岸田首相が唐突に打ち出した、相次ぐ“独断決定”がきっかけ。まず、2022度第2次補正予算成立を受けて、12月5日に2023~2027年度の5年間の防衛費総額を約43兆円とするよう関係閣僚に指示。 続いて、旧統一教会(世界平和統一家