暑い季節は涼しいところへ、寒い季節は暖かいところへ。快適な環境を求めて移動しながら、どこでも同じように働けることをめざす「渡り鳥プロジェクト」。 連載第2回(第1回はこちら)は、渡り鳥になる上で整理しておきたい「東京」のお話。日本の首都で働くことのメリットとデメリットを見つめながら、東京で働くべきか離れるべきかを考えてみたいと思います。都内に事務所を構えるフリーライター兼デザイン会社代表の松岡厚志がお送りします。 人はなぜ東京で働くのか 「人はなぜ<上京>するのか」(著・難波功士)という本があります。日本人はこれまで東京の何に憧れ、何に傷つき、何を拠りどころとしてきたのかを考察した、近代日本における「上京100年史」が展開されています。 大志を抱いた上京者が遊学していた明治・大正期。経済不況から失意の高等遊民を生んだ昭和初期。戦後生まれが労働力として集団就職してきた高度経済成長期。クリエイ