会社に変革を起こせ、と呼びかける経営者は多いが、現状の体制内にいる人にとって本当の変化は往々にして耐え難いものだ。自己否定につながる変化を覚悟しない人が、軽々しく「変革」と言わない方がよい。 ある会社では、社内の問題点を指摘させる若手プロジェクトを立ち上げ、自由に運営させていたところ、想定外の範囲に検討テーマを広げ、労働者の権利拡張を求める内容のレポートを出してきた。担当者はどう扱ってよいものか頭を悩ましている。 人事部長「それは会社の方針で決めることだ」 ――製造業の人事です。将来の管理職候補の育成と見定めのために、先期から若手社員を集めたプロジェクトチームを発足させました。 メンバーは入社3年目から5年目の社員10人ほどで、テーマは「社内の問題点の発見と解決策の提案」。運営は基本的にメンバーに任せて自由に議論し、議事録のみ人事部に提出させています。 半年ほどして「工場の作業の無駄を省く