安曇野市の安曇野高橋節郎記念美術館に、大切な人に宛てた手紙を来館者が投函(とうかん)できる粘土作品「土のポスト」が展示されている=写真。手紙は10月の展示終了後に作品から取り出し、同館敷地内に埋めて、植樹する。書いた内容を誰にも読まれないというユニークな趣向だ。 芸術家が市内に滞在しながら制作活動に取り組む市の事業「アーティスト・イン・レジデンス」に本年度参加する東京芸大(東京)の助手、布下翔碁さん(33)が企画、制作した。布下さんは漆芸と陶芸を得意としており、「亡くなった人が土に還(かえ)るのであれば、土の中に手紙を埋めることで思いを伝えられるはず」と土のポストを考案した。 土のポストは高さ約60センチ。「大地の郵便局安曇野営業所」とも名付けた。来館者は備え付けの用紙に思い思いのメッセージを記して投函できる。布下さんは「素直に思いを伝えられない人にこっそりと手紙を書いてみて」と企画への参