農水省は2兆3000億円弱の予算のうち、6000億円近くを水田に関連する事業に使っている。ジャーナリストの山口亮子さんは「北陸などの米どころほど農業産出額が低いにもかかわらず、多額の助成金が投入されている。コメに税金を投入する構造を変えなければ、日本の農業は立ちゆかなくなる」という――。
農水省は2兆3000億円弱の予算のうち、6000億円近くを水田に関連する事業に使っている。ジャーナリストの山口亮子さんは「北陸などの米どころほど農業産出額が低いにもかかわらず、多額の助成金が投入されている。コメに税金を投入する構造を変えなければ、日本の農業は立ちゆかなくなる」という――。
執筆者 白井 洋一 1955年生まれ。信州大学農学部修士課程修了後、害虫防除や遺伝子組換え作物の環境影響評価に従事。2011年退職し現在フリー 農と食の周辺情報 白井 洋一 2022年7月27日 水曜日 遺伝子組換え食品・作物は今でも環境団体や消費者団体の攻撃対象となるが、大手バイテクメーカーの農薬も攻撃されることが多い。バイエル社に合併された旧モンサント社の除草剤グリホサート(商品名ラウンドアップ)がその代表だろう。 2015年3月に世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関(IARC) が「グリホサートはおそらく発がん性あり」とグループ2Aに分類したことから、米国ではモンサント社を訴える裁判が急増した。 EU(欧州連合)でも、安全承認、使用期限の更新のたびに、政治問題化している。欧米とも、発がん性など科学的評価ではなく、活動家の波状攻撃や政治家やメディアが騒ぐ社会ネタだが、最近の情勢
いささか旧聞に属するが、TwitterでShinshinoharaさんという方がnoteで「なぜ日本は化学農薬を手放せないのか」という記事の公開を告知されていたので、読ませていただいた。Shinshinoharaさんは、農業関係の研究機関に属されているようで、おそらく専門家であり、そういった立場からの発信であることは十分理解できる。ただ、内容については概ね同意であるものの、若干説明不足な点が気になったので、少々補足させていただきたい。 note.com それでは、行ってみましょう。 フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com) ―引用開始 欧米や中国は大陸性の気候。ざっくり言うと、湿度が低く気温も低め。すると、虫がそもそも少ない。農作物をダメにする病原菌も少ない。湿度が低く気温が低い条件は、有機農業が容易。だって、虫や病気の発生が少ないから。 ―引用終了 ほとんどその通りで、Tw
初めて増田に書いたのだけど、思ったよりブクマ数が伸びた。 うかれてトラクター作業しながらコメントも大体全部読んで、 いろんな人がいろいろ、そして概ね好意的に書いてくれて面白かった。 いくつか触れておきたいトピックがあったので、農業の中の人として個人的な見解と感想を書いておこうと思う。 そういえば、一つ書き忘れたんだけど、借地料について。 今の相場は10aで年間6000円。 ミスタイプではないです。300坪、年間で6000円。 ●GPSやドローンは豪農の証? 豪農の意味が大規模とイコールなら正解。 GPS直進機能は優秀だし必要。 なんで直進が必要かというと、作物を均質に作るために均等な環境を用意するため。 つまり同じ深さで耕して、同じ量の肥料を撒いて、同じだけの根圏を用意するためなんだけど、 圃場の長さが70mくらいなら目印なく直進できるけど、100m超えたあたりから絶対曲がるんだわ。 ただ
ロサンゼルス南部で野菜、花、果物を育てる“ギャングスタ園芸家”ロン・フィンリー Photo: Todd Williamson / Getty Images for Airbnb 黒人やラティーノが多く住む米ロサンゼルス、サウスセントラル地区に暮らす“ギャングスタ園芸家”ロン・フィンリーは、10年ほど前から道路の脇や空き地などでゲリラ的に野菜を育ててきた。 最初は「農薬まみれじゃないリンゴ1個買うのに45分も車を走らせなきゃならない」ことに対する彼なりの抗議行動だったが、いまではその活動はロサンゼルス中に広がり、数十のコミュニティ菜園が作られるまでになった。 英紙「ガーディアン」が取材した。 「俺は菜園に夢中になんだ」と、“ギャングスタ園芸家”として世界で知られるロン・フィンリーは言う。「朝9時に家を出て、気がついたら午後7時だ。畑仕事をしてると何もかも忘れる。みんな庭を耕すべきだ」 手入れ
心の奥底で農業に憧れている人たちがいる。 私たちの一部は、「いったいどこの誰が私たちのプロダクトを喜んでいるのだろう」と首をかしげずにはいられないような、第三次産業に従事し続けている。人間の生活とはもっとシンプルなもの、衣食住と少しの娯楽だけで、充分に満ち足りたものだったはずだ。 豊かさという列車は高度成長期のころに軌条から脱線してしまったが、いまだにかろうじて横転せず走り続けており、それどころかますますそのスピードを速めながら、得体の知れない怪物がひそむ新現代の密林に突入しようとしている。 ちなみに列車も運転できる。 我々はこの列車からどうにかして脱出し、地に足のついた生活を始めなければならない――と、心のどこかでわかってはいるのだが、列車の暴走があまりにも速すぎるために、そうするには非常な勇気が必要だし、飛び降りた者たちは経済的にひどい痛手を負ったという噂もつねに聞こえてくる。 しかし
温度や湿度などのIoTセンサやデータを活用することで、“勘や経験”を頼りにしてきた農業を可視化する――。IoT市場の成長にともない、こうした田畑のデータを簡単に得られるようになる農業IoTツールが増えている。しかし、その多くが単にデータを取得するだけに留まってしまっていると指摘するのは、ソフトバンクグループのPSソリューションズ フェロー 博士(システム情報科学)の山口典男氏だ。 左からPSソリューションズ グリーンイノベーション研究開発部 部長 博士(学術)の戸上崇氏、同社フェロー 博士(システム情報科学)の山口典男氏、同社 グリーンイノベーション研究開発部 主幹研究員 博士(農学)の山本恭輔氏 栽培方法をナビゲートしてくれる「e-kakashi」 同社が提供する「e-kakashi(イーカカシ)」は、 センサによって栽培現場のデータを取得するだけでなく、そこから一歩踏み込み、データをも
テクノロジとコミュニケーションの進歩とともに、食品業界に対する意識と、われわれの食料調達手段や調理方法、食生活、廃棄方法に対する意識が増してきている。このような意識の対象となっているテクノロジについて解説する。 世界の人口が90億人に向かって増えていき、利用可能な土地が減少を続けるなか、われわれのコミュニティーはつながりを増しきている。これによって、重要性が高まってきている世界規模のある重大な懸念がわれわれの頭から離れなくなっている。それは食糧問題だ。幸いなことに、テクノロジによって食料の追跡や分析が可能になるとともに、食料システムの全体像が把握できるようになってきている。その結果、食料の無駄や二酸化炭素の排出量を減らせるうえ、現時点で飢餓に苦しんでいる8億4200万人に食料を調達できるようにもなるはずだ。 また、食料関係の新興企業も皆の関心を集めている。CB Insightsの調査による
植物工場には完全密閉された空間で人工光を利用する「完全人工光型植物工場」と、施設内で太陽光を利用しながら人工光で補光する「太陽光・人工光併用型植物工場」、また人工光を導入していない「太陽光利用型植物工場」がある。調査期間は2013年7~12月。完全人工光、併用型、太陽光利用型植物工場運営企業などを対象に、直接面談や電話/電子メールによるヒアリングなどを実施した。今回調べた植物工場運営事業市場とは、国内の植物工場で生産販売された作物の市場規模であり、国内流通量を出荷金額ベースで算出したという。 完全人工光型への参入企業は2009年の2.5倍 調査によると、完全人工光型植物工場の2013年の国内市場規模は33億9600万円(見込み)だという。同市場においては2009年時の約2.5倍に当たる企業・工場が作物の生産・販売事業を行っており、参入が活発化していることが見える。また、生産品目はリーフレタ
まあ、言いたいことは分からないでもないんだけどさあ…。 「正義派の農政論」 TPPで1俵2200円の米がやってくる http://www.jacom.or.jp/column/nouseiron/nouseiron130930-22295.php そりゃあ農家からすれば、凄い安い価格のお米がやってくるわけですから、商売上がったりだ、と言いたい気持ちは理解できます。 でもねえ、それは保護されてきた業界だからですよ。それ以外の世界では、海外との産業競争や価格と品質のつばぜり合いをやって生きてきている。海外との競争に負けて潰れる製造業あり、生き残りをかけて海外へ生産拠点を移転する化学会社あり、それが経済ってもんだと思っております。 翻って、8倍の価格差の維持を前提に、日本の農業の採算を取るという方向の議論はさすがにもうやめたほうがいいんじゃないでしょうかね。2,000円の米が入ってくるという予測
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