東京海洋大学は5月30日、東京湾で絶滅危惧種の生物「スナメリ」の30頭以上の群れを初確認したと発表した。SNSなどを通じて、市民が提供した目撃情報などが貢献。市民が参加する科学調査が、絶滅危惧種の保全に果たす役割が大きいことを示した。 スナメリは、日本沿岸の浅海域に生息する小型のハクジラ類に属する海洋生物。丸く、くちばしを持たない頭に、背びれのない小型の体形などが特徴だ。人間社会の影響を受けやすく、国際自然保護連合のレッドリストでも絶滅危惧種に指定されている。 スナメリは東京湾にも生息していることが知られていたが、小型で目立たないなどの理由から、目視調査が困難な種でもある。また、東京湾には空域制限があり、空撮などの調査手法が難しい。東京海洋大学でも、船の上から目視調査を3年以上続けていたが、ほとんど発見できなかったという。 そこで東京海洋大学は、SNSなどを活用して市民に対してスナメリの目
