東日本大震災:福島第1原発事故 内部被ばく証拠残せ 福島走る車のフィルター収集、分析 神戸の医師、保存呼びかけ ◇付着の放射性物質画像に 内部被ばくの証拠を残したい−−。原爆症認定集団訴訟を支援してきた神戸市の医師が、東京電力福島第1原発事故による内部被ばくの実態をつかもうと、福島県などを走った自動車のエンジンフィルターを集め、付着した放射性物質を分析する取り組みを進めている。医師は「フィルターは、人が吸い込んだ放射性物質の量の推計に役立つ。今のうちにできるだけ多く保存しておくべきだ」と医療関係者らに呼びかけている。【牧野宏美】 東神戸診療所(神戸市中央区)の所長、郷地(ごうち)秀夫さん(64)は、原爆被害者の医療に約30年間取り組み、03年から全国で始まった原爆症認定集団訴訟も医師団として支援した。判決は原告の訴えを相次いで認めたものの、国は「残留放射線による内部被ばくの影響は科学的立証