本稿執筆時点で、厚生労働省の労働政策審議会労働条件分科会におけるホワイトカラーエグゼンプションの審議は、依然として労使の意見の隔たりが大きく、集約に向けて動く見込みはないようだ。9月末に提示された「各側意見の調整のための論点」では、「ホワイトカラー労働者の自律的な働き方を可能とする制度を創設することについて検討を深めてはどうか」との検討の方向について、使用者側は「裁量性の高いホワイトカラー労働者については、労働時間の長短でなく、成果を評価することで処遇を行う必要がある」と主張する一方、労働側は「このような制度は長時間労働を助長するので反対」と断固譲らず、膠着状態に陥っているらしい。 だが、この対立点をよく見て欲しい。一体、労使は何について対立しているのだろうか。もっと言えば、そもそも対立点などほんとにあるのだろうか。世間では、ホワイトカラーエグゼンプションというアメリカ仕込みの制度を日本に