スズキの新型『アルト』に乗った。37km/リットルという途方もない燃費を誇るモデルである。試乗して感じたことは、これが軽自動車本来の姿。「ちょうど良い」はまさにこのクルマではないかと思えた。 ライバルのダイハツが、『タント』というモデルを出して以降、風潮的には全く不必要ともいえる車室空間を売りにするクルマが増えて、軽自動車が元来持っていた小さくて、スマートで、小回りが利いて、利便性の高いモデルは軽自動車というジャンルの中でマイナーな存在になってしまったと言っても過言ではないように思える。 考えてみればいわゆるトールボーイ系の軽自動車はほとんどのゴンドラ式駐車場には入らないから、それだけでも損をしている。車室空間が広いことは大いなる売りで、それゆえユーザーが飛びついたのだから、そのこと自体を否定するものではないが、個人的には必要以上に天地方向に高いのはいかがなものかとも思う次第だ。車高が高い