最近の料理トレンドといえば時短と簡単。だが、時間と手間をかけてこそ到達する究極の味がある。何てことない定番料理が「ここまで美味しくなるのか!」と驚くことだろう。 『究極の豚の角煮』 低温でじっくり3時間。 コンフィにその身を任された豚肉は、脂身は透き通るように白く、“ぷるぷる”。肉は淡い桜色でしっとりと柔かく、肉厚なハムのよう。 すぐにでも口にしたくなる衝動を抑え、そこからまた3時間。さらに豚肉をやわらかくするために煮込む。これは苦行か、じっくりと出汁が染みていく様子をただただ見つめ続けなければならない。 「ああ、早く食べたい……」一体どれだけ美味しくなってくれるのだろう。 我慢の先に、ここではないどこかへと意識が飛んでいく。 ■材料(2人分) 豚バラ肉……400g 塩……小さじ1/2 しょうが……親指大1かけ 昆布……8cm角1枚 水……500g 日本酒……100ml 醤油……大さじ4