ナノテク研究の前線からCPU/HDD/メモリの明日を読む[HDD編] テラバイト領域に突入したハードディスク――垂直磁気記録方式、TMRヘッド、パターンド・メディア…… ナノテクという言葉が使われるようになって久しいが、その進歩は今なお、とどまることを知らない。ここでは、コンピュータ・テクノロジーの最先端、ナノテクが生み出そうとしている近未来のCPU、ハードディスク、メモリの姿を3回にわたって紹介していく。前回のCPU編に続き、今回はHDD編として、大容量化が著しいハードディスクを、さらに容量アップさせるパターンド・メディア技術を中心に紹介しよう。 土屋 勝 かつては自販機サイズで5MBしかなかったハードディスク 磁気円盤にデータを記録するハードディスクが登場して50年以上がたつ。世界最初のハードディスクは1956年に公開された「IBM RAMAC」だ。これは直径24インチ(61cm)デ