(撮影:常盤武彦) 2008年にノーベル経済学賞を受賞した経済学者・ポールクルーグマン氏。世界最高の知性は「テクノロジーと経済の未来」をどう見通すのか――ニューヨークの彼のオフィスで聞いた。 ※本記事は大野和基インタビュー・編『未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来』(PHP新書)から抜粋して編集したものです AIによる大量失業は当分訪れない ――テクノロジーがさらに進化すれば、いずれ機械が人間の労働を奪ってしまうかもしれない……このような脅威論をどう捉えますか。 【クルーグマン】AIについては誇張されている面が多いと思います。テクノロジーの変化によって排除される人はつねにいますが、AIによる大量失業の時代が来るのはまだ先のことでしょう。 一度機械に人間の仕事を奪われたら、やがてすべての仕事が奪われるんじゃないか、という恐怖心はいつの時代もあります。しかし歴史的にみれば、仕事の
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