新型コロナウイルス流行のあおりを受け、カラオケボックスが苦境に陥っている。カラオケは飛沫(ひまつ)感染しやすいとされ、売り上げは減少。全国で1割ほどの店舗が閉店を余儀なくされたという。東京都が23区…

本来は有料の学術論文を、無料で入手できる「海賊版サイト」が作られ、国内だけで昨年、延べ約127万件の論文がダウンロードされたことが、琉球大などの解析で分かった。海賊版サイトをめぐっては、漫画などの無断掲載が問題となっているが、研究者の世界にも広がっている実態が明らかになった。 このサイトは「SCI-HUB」。カザフスタンの女性科学者が、論文の購読費が多額なことに不満を抱いて2011年に作ったとされる。 出版社のサイトで論文を読むのに必要なIDやパスワードを、正規に購読する大学などに所属する協力者から入手したとみられ、有料の論文を自由に読める状態にした。 出版社側が受けた被害の総額は明らかになっていないが、17年には中国やインド、アメリカなど世界中で延べ約1億5千万件の論文が、このサイトからダウンロードされたとみられる。 論文の海賊版サイトが出現した背景には、研究者側が出版社に支払う購読料が
手持ちの絶版本をスキャンしてネットに上げて――。漫画家の赤松健さん(50)が中堅出版の実業之日本社(東京)と1日、こんな呼びかけを始めた。誰でも無料で絶版本を読めるようにして、広告収入を作者と出版社、投稿した人で分け合おうとの試みだ。 対象は、同社が2000年以前に出版したが今は絶版となっていて、電子化されていない8871冊。文芸作品が多く、漫画もある。これらの本をスキャンした上で、赤松さんらが運営しているサイト「マンガ図書館Z」に投稿してもらい、広く一般に公開する。 閲覧数に応じて手元に入る広告収入は、作者8割、同社と投稿者で1割ずつ分配する予定。出版社は費用をかけずにたくさんの本を電子化することができ、作者は、印税が入らなくなっていた本で新たな収入が得られるメリットがある。1日の会見で赤松さんは「作者の許可がなければ公開しないので、(著作権上の問題はなく)完全に合法な仕組み」と説明した
東浩紀(あずま・ひろき)/1971年、東京都生まれ。批評家・作家。株式会社ゲンロン代表。東京大学大学院博士課程修了。専門は現代思想、表象文化論、情報社会論。93年に批評家としてデビュー、東京工業大学特任教授、早稲田大学教授など歴任のうえ現職。著書に『動物化するポストモダン』『一般意志2・0』『観光客の哲学』など多数 海賊版サイトが悪いことはだれもが知っているが…(※写真はイメージ) 批評家の東浩紀さんの「AERA」巻頭エッセー「eyes」をお届けします。時事問題に、批評的視点からアプローチします。 * * * 前回、海賊版サイトへの接続遮断の是非をめぐる議論に触れた。そこでは接続遮断もやむなしと記したのだが、この2週間で状況が動いている。というのも、遮断措置導入の経緯があまりに不透明であることが明らかになったからである。 毎日新聞4月6日付の報道によれば、政府は月内に犯罪対策閣僚会議を
ヒット曲に合わせてダンスする「踊ってみた」動画は、ユーチューブを始めとする動画投稿サイトの定番コンテンツだ。だが、歌手星野源さんのヒット曲「恋」に合わせて踊る人気の「恋ダンス」が、9月以降次々と削除される事態になった。何が起きているのか? 「たくさん観(み)て頂きありがとうございました」。2日、切れのある恋ダンスが話題になったプロフィギュアスケーターの織田信成さんはツイッターでそうつぶやき、ユーチューブから削除した。織田さんに限らず恋ダンス動画は9月以降、削除が続いている。 星野さんの「恋」は、TBS系ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(2016年10~12月)の主題歌だ。星野さんら出演者がエンディングで曲に合わせて踊る映像が話題になり、まねる人が続出。ユーチューブやニコニコ動画に投稿する人が相次ぎ、「恋ダンス」ブームが起きた。当時駐日米国大使だったキャロライン・ケネディさんの動画なども話題
NHKが2019年の本格開始を目指すインターネットでの番組同時配信。料金負担などを検討するNHKの諮問機関が出した答申をめぐり、民放などから反発する声が相次いでいる。同時配信の必要性より負担の議論が先行する形になったためだ。答申を受け近く考えを示すNHK側にも、開始時期などについて慎重な発言が目立ち始めた。 NHKが初めて、本格開始の時期について意向を示したのは昨年12月、総務省の有識者会議。籾井勝人前会長時代だ。 上田良一会長は就任間もない今年2月、諮問機関として受信料制度等検討委員会を設置。「通信と放送の融合という大きな変革の中で早急に対応することが課題。その第一手」と会見で述べた。若い世代のテレビ離れが進む中、20年東京五輪・パラリンピックを機にスマートフォンなどで手軽に見られる環境を整えるため、「前年の実現」が目標となる。NHKの独断ではなく、有識者の意見も取り入れた形で議論を進め
ビートルズの元メンバー、ポール・マッカートニー氏(74)が18日、米ニューヨークの連邦裁判所に、ソニーの子会社が所有するビートルズの楽曲の著作権を返還するよう求める訴訟を起こした。AP通信などが伝えた。 マッカートニー氏と故ジョン・レノン氏が作った「ラブ・ミー・ドゥ」など、ビートルズのヒット曲の多くの著作権は、1985年に故マイケル・ジャクソン氏が購入し、現在はソニーの子会社で世界最大の音楽出版会社「ソニー/ATV」が保有している。 長年、楽曲の著作権回復を望んできたマッカートニー氏は訴状で、米国の著作権法の規定に基づいて2018年以降に順次、著作権が原作者に返還されると主張。「裁判所の宣告が必要で、そうすればマッカートニー氏は平穏で曇りのない権利保有ができる」としている。同様の事例で、英国の裁判所に著作権回復を訴えた英国のロックバンド「デュラン・デュラン」が昨年12月、ソニー側に敗訴した
総務省は、テレビ番組をインターネットで同時に配信する「ネット同時配信」を2019年にも全面解禁する方針を固めた。NHKのネット同時配信を制限している放送法を改正し、民放にも参入を促す。ネットでNHKを見る人から受信料を取る仕組みについても議論を始める。 東京五輪・パラリンピックを前に、スマートフォンなどで場所を選ばずテレビを見られるようにする。若い世代を中心にネット動画を好む人が増え、米ネットフリックスなどの動画配信サービスが利用者を伸ばしている。テレビを持たない人も増えつつある。 総務省は、テレビ業界がじり貧に陥ればソフトを海外展開する「クールジャパン」戦略にも影響しかねないと懸念する。民放各社はスマホへの同時配信は東京のキー局と同じ番組を流すことが多い地方局から視聴者を奪いかねないとして反対してきたが、総務省はテレビを見ていなかった層にアピールする効果の方が大きいと判断。テレビ局が質の
公立図書館の貸し出しにより本が売れなくなっているとして、大手出版社や作家らが、発売から一定期間、新刊本の貸し出しをやめるよう求める動きがある。背景には、深刻化する出版不況に、図書館の増加、サービス拡充もある。本を売る者と貸す者、相反する利害のはざまで、出版文化のあり方が問われている。 「増刷できたはずのものができなくなり、出版社が非常に苦労している」。10月半ば、東京都内で開かれた全国図書館大会の「出版と図書館」分科会。図書館関係者が多くを占める会場で、新潮社の佐藤隆信社長が、売れるべき本が売れない要因の一つは図書館の貸し出しにある、と口火を切った。 佐藤社長は、ある人気作家の過去作品を例に、全国の図書館が発売から数カ月で貸し出した延べ冊数の数万部のうち、少しでも売れていれば増刷できていた計算になると説明。司会役の調布市立図書館(東京都)の小池信彦館長が「それは微妙な問題で……」と言葉を濁
握手券に投票券、ライブチケット……。音楽チャート上位には、様々な特典を付けたCDが並ぶ。そんななか、エアバンドのゴールデンボンバーは昨年、シングル「ローラの傷だらけ」を、あえて特典を一切つけずに発売した。ボーカルの鬼龍院翔に思いを聞いた(取材は今年1月17日)。 ――昨年、シングル「ローラの傷だらけ」を、特典を一切つけずに発売しました。なぜですか。 一番の理由は、僕が今まで特典だらけのCDを売ってきて、それが嫌だったから。どんな表現者でも、自分が一番見てもらいたい表現以外を求めて作品を購入する人がいたら、モヤッとするはずです。結局、コピーできる音楽よりも、握手とかコピーできない特典の方が強いんですよね。 やっぱり、1人の人に複数枚売らなきゃいけない現状は間違っている。ミュージシャンみんながそう思っています。それでもやめられないのは、会社や色んな人の生活がのしかかっているからですよ。特典を無
数字の大小にテレビ局が一喜一憂する視聴率。本格的な調査が始まった1960年代以降、企業がCMを出す際の「広告指標」として、そして番組の人気を社会が共有する「文化指標」としての役割も果たしてきた。しかし近年、テレビの見方が多様化するなかで、曲がり角を迎えている。 3月まで続いた冬季の連続ドラマの最終回。放送中に見た割合を示す世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で比べると、NHKの「マッサン」が23・2%で圧勝。多くの民放ドラマは1桁台に沈んだ。 だが同じビデオ社の調査でも、一般には非公表の1週間以内の録画再生率(タイムシフト視聴率)を見ると、「マッサン」は6・1%。視聴率11・3%だった「ウロボロス」が録画では9・1%と、「マッサン」を上回る。「録画してまで見た番組」とモノサシを変えれば、人気の別の側面が浮かび上がってくる。 日本テレビが首位を独走、フジテレビは大苦戦――。世帯視聴率で
昨春、週刊ビッグコミックスピリッツに掲載された漫画「美味しんぼ」は、東京電力福島第一原発を訪れた主人公が鼻血を出す描写などが厳しく批判された。『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』(遊幻舎)を2日に出版した原作者の雁屋哲さん(73)に、今の思いを聞いた。 一連の騒動から9カ月。雁屋さんは沈黙を守っ… こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
「週刊ビッグコミックスピリッツ」の人気マンガ「美味しんぼ」で、東京電力福島第一原発を訪ねた主人公が鼻血を出した描写が風評被害を招くと批判を受けた問題で、原作者の雁屋哲さんが2日、「美味しんぼ『鼻血問題』に答える」(遊幻舎)を出版し、一連の批判に反論した。 本の第1章では、自身や編集部に批判が殺到したことに触れ、原発事故は収束し、福島に住むことも食べ物も安全とする「この国の神聖なタブーを破った極悪人扱いを受けた」と述懐。 放射線被曝(ひばく)との因果関係を「考えられない」と否定した環境省の見解に対して、福島県の地元住民の証言や研究者の調査などから「福島の環境であれば、鼻血を出す人はいる」。風評被害との指摘については、「私が伝えたのは真実です。『風評』ではありません」などと主張している。 本の半分近くを割いて福島県の農業関係者や福島第一原発を訪ねた体験を紹介。その上で、内部被曝や低線量被曝が人
東京電力福島第一原発事故による放射線リスクを巡る描写が議論を呼んだ「週刊ビッグコミックスピリッツ」の人気漫画「美味(おい)しんぼ」(小学館)の単行本111巻「福島の真実2」が10日、発売された。主人公が鼻血を出す描写は残ったが、被曝(ひばく)との因果関係を巡る表現など10カ所以上が修正された。 福島第一原発を訪れた後に鼻血が出た主人公が医者と話す場面では、医者の発言が「福島の放射線とこの鼻血とは関連づける医学的知見がありません」から「お話しの様子からでは原発見学で鼻血が出るほどの線量を浴びたとは思えません」に変わった。 有識者が放射線の影響で鼻血が出るメカニズムについて説明を受けた主人公の発言は、「それで鼻の粘膜の細胞が破れて鼻血が出るんだ」から「鼻の粘膜が破れて血が出ることの、それも一つの説明だ」と断定を避けた。 大学准教授が「福島がもう取り返しのつかないまでに汚染された」と発言した場面
「テニスを見るならWOWOWへ」。全米オープンの国内の独占放映権をもつ有料放送WOWOWはホームページでこんな宣伝文句をうたう。9日の決勝中継を前に、7日は加入申し込みが殺到し、フリーダイヤルはパンク状態。崎山修・広報部長は「これまでにない数の申し込み」と話す。 WOWOWは1990年代初めから全豪、全仏、全米、2008年からは全英(ウィンブルドン)も放映。94年の伊達公子選手の全豪4強や08年の錦織選手の全米4回戦進出の際も加入が増えたが、「今回の決勝進出は比較にならない反応」という。8月は約4万2千件が新規加入し、総加入数は約264万。年度末時点でのピークは01年度末の約266万だが、これを超える可能性もある。ホームページでも申し込みを受け付けている。 錦織選手が試合中に着ているテニスウエアにも人気が集まっている。スポンサー契約を結ぶユニクロが大阪と東京の計3店舗で赤、白、紺の3色の錦
ネット書店最大手のアマゾンが、電子書籍の販売条件で出版社を「格付け」し、アマゾンに有利な条件で契約した出版社の書籍を、読者に優先的に紹介する新たな仕組みを導入したことが分かった。出版社は「市場の支配力を背景とした脅しだ」などと反発。米国や欧州でも出版社や作家によるアマゾンへの抗議が広がっており、対立が浮き彫りとなっている。 アマゾンが今春、出版各社に提示し、夏から順次始めている。出版社がアマゾンに支払う販売手数料の高さ、電子書籍の品ぞろえの充実度などに応じて出版社を4ランクに分け、ランク上位の社の電子書籍をホームページ上で目立たせたり、読者の購入履歴などに応じて「おすすめ」としてメールなどで紹介しやすくしたりする仕組み。 紙の本でもアマゾンに有利な条件の出版社の本を優先的に読者に薦めているが、成長市場の電子書籍では紙よりも優先度に差をつけている。格付けが下の出版社の書籍は読者の目に触れにく
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