100歳以上は、授業料を100%免除――。花園大学(京都市)が奨学金制度を新設し、来春の新入生から若干名に支給する。入学時の満年齢による。 社会人入試と編入試験が対象。50代は50%、60代なら60%と年齢に応じて免除額も上がる。100歳以上は年間約80万円の授業料が最大4年間タダになる。 募集の文句は「自分が変われば世界が変わる」。近年、受験者の数が2桁に乗らない両試験。奨学金制度が変われば受験者数が変わるか。
朝日新聞社とベネッセ教育総合研究所が共同で実施する「学校教育に対する保護者の意識調査」の結果が4日、まとまった。全国の公立小中学校の保護者7400人に聞いたところ、教育格差について「当然だ」「やむをえない」と答えた人は62・3%となり、4回の調査で初めて6割を超えた。また、子どもの通う学校への満足度は83・8%で、過去最高となった。 調査では「所得の多い家庭の子どものほうが、よりよい教育を受けられる傾向」について「当然だ」「やむをえない」「問題だ」の3択で尋ねた。 「当然だ」と答えた人は9・7%で、2013年の前回調査の6・3%から3ポイント以上増えた。1回目の04年、2回目の08年(ともに3・9%)からは6ポイント近い増加だった。また、「やむをえない」は52・6%で、初めて半数を超えた前回の52・8%とほぼ同じ。格差を容認する保護者は計62・3%となった。 一方、「問題だ」は34・3%で
奨学金破産(反響編:上) 日本学生支援機構の奨学金を返せず自己破産した人が過去5年間で延べ1万5千人。その半分は親や親戚ら保証人だった――。朝日新聞が2月、3回にわたり報道したところ、電話やメール、投書などで多くの反響が寄せられました。主な意見について、2回にわけて掘り下げます。 800万円余の奨学金を返せず、東京で一人暮らしをしながら働く息子と、連帯保証人の父親が相次いで自己破産した事例などを紹介したところ、「800万円も借りる必要があったのか」(50代女性)など、金額が大きすぎるとの声が多く寄せられた。奨学金を返さないことへの批判も目立った。 これに対し、愛知県の男性(28)は「借りざるを得ない人もいることを理解してほしい」と訴える。 国の奨学金制度2016年度の利用者は約131万人で貸与額は約1兆円。給付型の奨学金は17年度から始まり、18年度以降、毎年約2万人。新たに借りる人は連帯
奨学金破産 手元にはA4封筒の束がある。中には奨学金の貸与が決まったことを告げる、日本学生支援機構からの通知。埼玉県立蕨(わらび)高校の仲野研(けん)教諭(59)は高3の生徒たちに配り、呼びかけた。 「開ける前に、自分が月々、いくら借りることになるのか封筒の端に書いてごらん」 正しく書ける生徒は約100人のうち7割ほど。「じゃあ、大学を卒業したら、どれぐらいの金額になる?」「毎月、いくらずつ返す?」。ペンをもつ生徒たちの手が止まった。 仲野教諭らが担う「奨学金」事務は、申請書類を集めて機構に送るなど、手続きを支えるのが役割だ。作業は単純だが、数百万円単位のお金に関わるだけに責任は大きい。 「私が借りた40年前と違い、いまは利子がつく場合もあるし、回収は厳しい。借りるデメリットも知らせないと、子どもたちを窮地に追いやりかねない」。生徒や保護者には、「奨学金といってもローンです」と伝えている。
奨学金破産 2016年暮れの夜。携帯電話が鳴ったとき、男性(52)はハンドルを握っていた。家具販売の営業用の車を止め、東京で一人暮らしをする息子(27)の話に耳を傾けた。 「父さん、迷惑かけることになってごめん」 大阪の実家から私立大の国際関係学部に通い、卒業して3年半。奨学金を返せず、自己破産するという。入学金30万円や毎年100万円の授業料、通学費などのため、計800万円余を借りた。機構の調査によると、大学でかかる1年間の費用は「私大・自宅生」で平均約177万円。
立命館大は24日、産業社会学部の教職課程の履修科目編成で大学側のミスがあり、卒業生3人の高校教員免許(地理歴史)が取り消されたと発表した。うち2人は現職教諭だが、中学校で教えているため授業に影響はないという。 大学は2012年度に科目「戦争の歴史と現在」を教職課程から外したが、学生に配った履修要項を修正していなかった。そのため学生21人がこの科目を教職課程の科目として履修して卒業し、教員免許を取得した。 17年12月に学内の免許状判定システムを点検した際、ミスが判明。計算し直したところ、履修して免許を取得した21人のうち3人が単位不足となり、教員免許が取り消された。 立命館大は3人に謝罪。今年度中にそれぞれの居住地の近くで特別に講義をして単位を授与し、免許の再取得を目指すという。
文部科学省は、経営が悪化し、教育の質も低下している私立大学・短大を運営する学校法人への補助金(私学助成)を、大幅にカットする仕組みを2018年度から導入する方針を決めた。一方、教育内容が評価された場合は補助金をアップする。18歳人口の減少に伴い、破綻(はたん)する恐れがある法人が増えるなか、経営改善できない大学に「退場」を迫る内容となる。 17年度は地方を中心に私立の大学の4割弱、短大の7割弱が定員割れした。18年度からは18歳人口が再び減少傾向に入り、経営はさらに厳しくなりそうだ。日本私立学校振興・共済事業団(私学事業団)が660法人の16年度時点の財政状況を調べたところ、112法人が「破綻する恐れがある」と分類され、時期は21法人が「19年度末までに」、12法人が「25年度末までに」だった。 国は毎年、私学助成金を3千億円余り支出しているが、こうした状況を受けて政府内からも「経営難の私
生活保護を受ける世帯の子どもの大学や専門学校への進学を支援するため、政府は来年4月から入学時に一時金を支給する方針を固めた。親元を離れる場合は30万円を配る。同居を続ける場合は10万円とし、さらに生活保護費の住宅費の減額ルールをやめる。来年の通常国会に提出する生活保護法の改正案に盛り込む。 受給世帯の大学などへの進学者は昨年度で4619人。進学率は33%で、全世帯の73%を大きく下回る。この教育格差が親から子どもへの「貧困の連鎖」を生んでいるとして、対応を求める声が広がっていた。 一時金の名称は「新生活立ち上げ費用」。パソコンや教材のほか、一人暮らしを始める場合は生活用品などに使うことを想定する。 また、今の生活保護制度では…
交際していた少女にキスをしたなどとして、埼玉県教委から懲戒免職処分を受けた同県東部の公立中学校の教諭だった20代男性が、県に処分取り消しを求めた訴訟の判決が24日、さいたま地裁であった。針塚遵裁判長は「将来を見据えて真剣に交際していた」などと認め、処分は裁量権の乱用だとして取り消した。 判決によると、元教諭は教諭になる前の2015年3月にアルバイト先の学習塾で知り合った、当時中学生だった少女と交際を始め、教員になった同年4月以降、高校生になった少女と複数回キスや抱擁をするなどした。保護者が交際に気付き、県教委は同12月、元教諭を懲戒免職にした。 判決は「生徒を教え導く立場なのに、生徒に言われるがままに非違行為に及んだ。思慮が浅すぎる」などと批判する一方、「交際は生徒が積極的に望んだ」などと認定した。 県教委の懲戒基準は「18歳未満にわいせつな行為をした職員は免職または停職」と規定しているが
岐阜市教育委員会は26日、市立小学校の50代の女性教諭が、給食を完食するよう児童に指導した結果、今年7月までに計5人が嘔吐(おうと)したと発表した。市教委は「配慮にかけた指導だった」として25日付で、女性教諭に対し口頭で厳重注意処分を出した。 市教委によると、昨年度に1年生の学級担任だった女性教諭は、児童の偏食をなくすために給食を残さず食べるよう指導。昨年4~12月に児童4人が計8回もどした。また、2年生の学級担任補助だった今年7月にも、体調不良の児童に給食を食べるよう指導し、児童が吐いたという。 保護者は学校に児童の体調不良を連絡していたが、女性教諭には伝わっていなかったという。 今月8日に匿名の情報を受けた市教委が学校に調査を指示し、発覚した。女性教諭は「子どもに負担をかけてしまい反省している」と話しているという。市教委は「楽しく食べ物に感謝して食べる食育指導を職員に徹底する」としてい
神奈川県大磯町が町立中学校2校に昨年1月導入した、配達弁当方式の給食に多量の食べ残しが出ている問題で、今年7月までに、給食に84件の異物が混入していたことが分かった。製造工場での混入は15件が確認されたという。19日の町議会全員協議会で報告された。 町は、味や冷たさのほか、異物混入による不信感も食べ残しの一因とみている。全員協議会では、議員から「異物の心配がある給食を今後も子どもたちに食べさせるのか」、「製造業者を代えるべきだ」との批判が相次いだ。野島健二教育長は「混入防止のため委託業者にすべての弁当を写真撮影させ、衛生管理を徹底させる」と述べた。 町は約720人の生徒を対象に配達弁当方式の給食の提供を続ける一方、不安などで食べられない生徒については家庭の弁当持参を当面認める方針を決め、19日、保護者に連絡網で知らせた。 町によると、異物は、髪の毛39件、繊維14件、小バエなど虫10件、プ
「子どものため」って大人はよく言うけれど、本当だろうか。有無を言わさずに子どもを方向づけ、小学校でも道徳を教科にして大人が評価するようになる。それってほんとに子どものため? 私が一番多感だった子ども時代は戦時中でした。長崎の実家はキャバレーのようなカフェや銭湯をやっていて、昼間とは違う大人たちの姿を見て育ったので、かわいげのない、変わった子どもでした。 普段は立派な身なりの人が意外とだらしのない体で、ヨイトマケのおばさんが立派な体だったり、官職にある人がお忍びで来て、ホステスにいたずらしてヘラヘラしたり。そんな大人たちが「ねばならない」と押しつけていた軍国教育は、長崎にも原爆投下を招いた末の終戦で全てひっくり返り、美徳とされてきた価値観は悪徳になりました。 私は、そんな大人たちをみて…
九州各地で教員不足が深刻になっている。年度当初の欠員が相次ぎ、福岡県では1学期半ばでも60人以上が不足していた。第2次ベビーブーム世代の就学時に採用された教員の大量退職が背景にある。切羽詰まって、「教員免許をもつ人を紹介して」と保護者に呼びかける教委もある。 保護者に「紹介して」メール 「お知り合いの方で、教員免許状をお持ちの方がいれば、是非紹介してくださるようお願いします」。今年1月、福岡県大野城市の小学校の保護者に届いたメールだ。県教委の福岡教育事務所が、管轄する市町の教委と小中学校を通じ、保護者ほぼ全員に呼びかけたという。この保護者は「そこまで先生が足りないのかと驚いた」と話す。 福岡県内の元中学教員の男性(61)には昨年、地元教委を名乗る人から「中学の教員が足りない。講師として来てくれませんか」と電話がかかってきたという。男性は元社会教諭。「社会はいっぱいおるでしょう」と言うと「い
顧問をしている運動部の女子生徒に全裸になることを強要したり、セクハラ発言を繰り返したりしたとして、堺市教育委員会は29日、市立学校の男性教諭(56)を懲戒免職処分にし、発表した。教諭は「わいせつ目的ではなく、指導が高じた」と釈明しているという。 市教委によると、男性教諭は7日、前日の試合で敗れた女子生徒を呼び出し、壁を隔てた隣室から「裸になるぐらいの覚悟で頑張れ」「服を脱げ」と繰り返し強要。女子生徒はやむを得ず全裸になったという。生徒が服を着ることを許した後も、抱き寄せたり、背後から抱きつかせたりし、「成人したら先生とHしような」などと発言したという。女子生徒が母親に相談して発覚した。男性教諭は「精神面を鍛えるためだった。裸になった姿は見ていない」と説明しているという。 市教委によると、男性教諭は1990年から顧問を務めていた。部員への聞き取りによると、男性教諭は普段から他の生徒に対しても
諏訪原健(すわはら・たけし)/1992年、鹿児島県鹿屋市出身。筑波大学教育学類を経て、現在は筑波大学大学院人間総合科学研究科に在籍。専攻は教育社会学。2014年、SASPL(特定秘密保護法に反対する学生有志の会)に参加したことをきっかけに政治的な活動に関わるようになる。2015年にはSEALDsのメンバーとして活動した(撮影/写真部・長谷川唯)この記事の写真をすべて見る 「飯を食っていくことを考えろ」 高校3年生のとき、進路相談をするために、親に自分の考えとか夢とかについて話したときに返ってきた言葉だ。今でも人生における重要な選択の度に、この言葉が頭に浮かぶ。 何度も何度も浮かんでくるので、「本当にそれでいいのか」と誰かに問い詰められているような気持ちになる。何となくこの言葉が好きではない。言葉の内容自体は、別に当たり前のことだ。 うちは裕福な家庭ではなかったので、大学に行くなら多額の奨学
日本女子大学(東京都文京区)が、男性の体で生まれたが、女性として生きるトランスジェンダーの学生を受け入れるかどうかの検討を新年度から始める。体の性別を入学の前提にしてきた女子大だが、さまざまな性のあり方への認識が広がる中、生物学的に男性に生まれた人にも門戸を開く可能性が出てきた。 伝統校の日本女子大が議論を始めることで、他の女子大に影響を与える可能性もある。文部科学省と同大は「他の女子大で、同様の動きがあるとは聞いていない」としている。 検討のきっかけは2015年末、神奈川県に住む小学4年生の保護者からの問い合わせだった。この児童は戸籍上は男子だが、性同一性障害と診断され、女子として生活している。同大や付属校の入試の出願資格には、「女子」との規定があるが、同大付属中の受験を希望していた。 これを受け、同大は16年8月、付属の幼稚園、小・中・高校、大学の学部代表らで「LGBTに関する検討プロ
「子どもの貧困」問題の解決には、どんな支援がいるのでしょうか。食べ物や持ち物? 学習? お金? 精神的なこと? 保護者への支援でしょうか。朝日新聞デジタルのアンケートにはさまざまな視点の提案が寄せられています。報道する側から、そして報道を見つめる立場で貧困問題を考え続けてきた上智大学教授の水島宏明さんに話を聞きました。 上智大教授(ジャーナリズム論)・水島宏明さん 貧困問題を考えるきっかけは、バブル期の1987年、民放のディレクターをしていた時に札幌で起きた餓死事件でした。パートをかけもちする母子家庭の母親が、役所に生活保護を求め、追い返された末、3人の子を残して餓死しました。離婚後、母親は飲食店などで働きながら生計を立てていましたが、体を壊して生活保護を受けたり抜けたり。女性の就労問題でもありました。でも、取材に行った役所の担当者は「あの母親は色々あるんだよ」と男性関係の話をにおわせまし
卒業式で君が代を起立斉唱しなかったことで定年退職後の再任用を不合格としたのは、思想・良心の自由を保障する憲法に反するとして、大阪府豊中市立小学校の元教諭、佐藤訓子(くにこ)さん(64)が豊中市に330万円の国家賠償を求めた訴訟で、大阪地裁(内藤裕之裁判長)は12日、請求を退ける判決を言い渡した。 判決によると、佐藤さんは2012年の卒業式で「日の丸、君が代に反対します」と発言して座り、翌年の再任用の選考で「勤務実績が良好でない」と判断され、不合格とされた。 訴訟で佐藤さんは「軍国教育の反省から良心に従った。勤務実績に考慮される非行ではない」と訴えたが、判決は式進行や厳粛な雰囲気を保つためならば思想・良心の自由が一定の制約を受けても許されると判断。一連の行動は「教育公務員の信用を著しく失墜させた」とし、不合格を妥当とした。 佐藤さんは13年3月末で定年退職した。市教委によると、11年度からの
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