20歳代女性の専業主婦志向が、上の世代より高くなっている。女性の社会参画が進み、機会も選択肢もあるはずなのに、なぜなのか? 5月末に閣議決定された2009年版男女共同参画白書で、20歳代女性の専業主婦志向についての調査結果が注目された。「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」という性別役割分業の考え方に賛意を示した20歳代女性が、30~50歳代女性より高い割合だったのだ。 「結婚して家庭に入り楽をしたいという意識は、以前から若い女性に強い」と話すのは、十文字学園女子大の橋本ヒロ子教授(男女平等政策)。実際、内閣府が1997年以降行った5回の世論調査によると、性別役割分業に「賛成」の女性の割合は減少しているが、世代別に見ると、20歳代女性は30歳代より高い割合を示している。 「周囲に仕事と子育てを両立している先輩が少なく、育児は非常に大変だという事情を見聞きしているからでしょう」と橋本教授。さ