幅が狭い4G用周波数を5Gに転用しても通信速度は4Gと同等にとどまり、ドコモの主張は一理ある。一方で、ドコモは苦しい台所事情も抱える。4Gや5Gで採用する基地局ベンダーの違いから、競合2社のように4G用周波数を速やかに5Gに転用しにくいのだ。エリア拡大を競争の重要な要素と考えている競合2社がドコモの主張をすんなり受け入れるかは未知数だ。 消費者にとっても、5Gサービスを契約して本来の性能を享受できるかは見逃せないポイントだ。性能が異なる5Gが混在する事態に対し、消費者の混乱を招かないように携帯電話業界は歩み寄れるのか。 ソフト更新だけで4G基地局を5G化 ドコモは8月25日の説明会で、専用周波数を用いた高速な5Gの基地局整備に注力すると改めて強調した。4G用周波数の5Gへの転用自体についてはドコモも賛同し将来的には取り組むとしたが、現時点で具体的な計画はないという。 4G用周波数の5Gへの