古来日本では、神社の注連縄と棺桶を縛る縄はともに「左縄」であった。「左」は、吉と凶、浄と穢、正と邪の"両義性"を持っていた。左の両義性を括るのは「聖」であり、右に象徴される「俗」と対置される。左右の民俗学を通して、日本文化の独自性やそのルーツ、汎アジア的な「左尊」文化、そして、あらゆる文明に共通する"対"と"両義性"の構造が見えてくる。 「BOOKデータベース」より [目次] 解説篇 「左右」から見える日本文化のルーツ 資料篇(右得手と左得手(一九〇三年)(寺石正路) 左得手と右得手(一九〇三年)(寺石正路) 左右の尊卑に関する穂積陳重君の疑問(一九〇五年)(坪井正五郎) 左側右側尊卑の習慣(一九〇五年)(坪井正五郎) 左右の尊卑について(一九〇五年)(金子徴) 左右尊卑に関する質問に就て(一九〇五年)(菅野真澄) 左右尊卑の鄙見(一九〇五年)(阿波加修造) 左(pidari)右(migi