真っ赤なTTでビューン。 今回の相棒は、大人が夢中で遊べるクルマ、TTだ。小ぶりな2リッターエンジンなのに286馬力※をたたき出す。高速道路もスイスイ。アクセルを踏めば、ブロロロという低く太いエンジン音を背に、ぐいぐい走り出す。坂道の多い長崎の道だってなんのその、いつでもどこでも行きたいところへ連れて行ってくれる、実に楽しい相棒だ。 そのTTで向かったのは、ぼく自身、三度目となる長崎だ。 こんなにもコンパクトに、様々な歴史と異国情緒、それに人々の生活が詰まった港町、他にない。 行き交う街角に立って、目を閉じてごらん。クルマの行き交う音に路面電車がやってくるモーターの音が入り混じり、長崎港から汽笛が聞こえ、列車がレールを打つ音がする。ここは坂道の街だ。きっと平らなところに全てがぎゅっと詰まっているからこんなふうに聞こえるんだろう。見上げれば、住宅や学校、お寺や教会、異人館が斜面にぎっしりと建