杉山茂樹 = 文 text by Shigeki Sugiyama photograph by Takuya Sugiyama 攻撃が終了した瞬間、守備の時間が始まる。当たり前の話だが、これがサッカーの特徴だ。プレッシングを謳うチームほど、そこへのこだわりが必要になる。「あーあ、ボール取られちゃった。ふー。さてと、嫌な守備でもしましょうか」は、許される態度ではないのだけれど、そうした意味では、日本人はプレッシングに先天的に向いた人種だと思う。 サボりや怠け癖を、社会として嫌う傾向がある。全員野球という言葉に代表されるフォア・ザ・チームの精神や、勤勉、忠実、真面目を美徳とする精神が世の中のベースに流れている。そこに優位性を見出し、外国人よりいい加減ではないというプライドを持つ日本人は多くいる。プレッシングは、日本人気質を発揮する絶好の機会。発揮のしどころだとさえ言える。他国に劣るわ