現首相は最近、「印象操作」という言葉にこだわりがあるようです。たとえば、国有地が超格安で売却された大阪の学校法人・森友学園をめぐる多数の疑惑。妻の名誉校長就任がなんらかの影響を及ぼしたのではないか、などと国会で問われると、首相は声を荒らげてこう答弁しました。 「事実がないのに、まるで事実があるかのように言うのは、これは典型的な印象操作なんですよ」「一生懸命に印象操作をされてますが、本当に何もないんです!」 辞書をめくると、「印象」は「見たり聞いたりしたときに対象物が人間の心に与える感じ」、「操作」は「機械・器具などを動かして、作業させること/自分に都合の良い結果が得られるように手を加える」(『大辞林』)とあります。つまり「印象操作」とは「見たり聞いたりした時に与える感じを、自己に都合よく手を加える」といった意味になるでしょう。
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