パリ近郊にあるルノー本社=ロイター 次世代の環境対応車の「切り札」とされる電気自動車(EV)の情報が仏ルノーから漏出した問題は刑事事件に発展した。狙われたのは資本提携する日産自動車と開発してきた技術情報。仏国内で浮上した「中国関与説」は外交問題に発展しかねず、関係者は沈静化に躍起だ。 「組織的な産業スパイの被害を受けた」。ルノーは13日、パリの検察当局に告訴状を提出した。しかし、容疑者の氏名は不詳のまま。その後、「法的手続きが平穏な環境の中で進められるため、ルノーはいかなる論戦にも加わらない」との声明を出した。 情報を流したとして経営委員会メンバーら幹部3人を停職処分としたが、3人は関与を否定。このため、告訴状では幹部らの名は伏せ「容疑者不詳」とし、事件解明を当局に任せた。声明ではあえて「論戦に加わらない」と言明した。 事件と距離を置くかのような対応の背景には、事件を巡る過熱した報