■■第1章:「アヘン戦争」と「サッスーン財閥」 ●「アヘン戦争」は調べれば調べるほど、むごい戦争(汚い麻薬戦争)だったことが分かる。 1971年に「第25回毎日出版文化賞」を受賞した陳 舜臣氏の著書『実録アヘン戦争』(中央公論新社)には、次のような言葉が書かれてある。 「『アヘン戦争』は、単にイギリスによるアヘン貿易強行のための中国侵略戦争以上の意味を持っている。この“西からの衝撃”によって、我々の住む東アジアの近代史の幕が切って落とされたのである。」 『実録アヘン戦争』 陳 舜臣著(中央公論新社) ●この「アヘン戦争」は、イギリスの「サッスーン家(財閥)」を抜きにして語ることはできない。 「サッスーン」という財閥名(ファミリー)を初めて聞く人は多いと思うが、以下、詳しく紹介していきたい。 ◆ ◆ ◆ ●「サッスーン家」は、もともとは18世紀にメソポタミアに台頭したユダヤ人の富豪家族で、ト