「沖縄に迷惑をかけ、社民党を政権離脱に追い込んだ責任を取る」。鳩山由紀夫前首相は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題をこう総括して辞任した。後を引き継いだ菅直人首相は11日の所信表明演説で「私の最大の責務は歴史的な政権交代の原点に立ち返って、国民の信頼を回復することだ」と語った。そこで菅首相にお願いしたい。普天間問題においても「県外、国外」の原点に立ち返って、沖縄県民の信頼を回復してほしい。さもなければ自ら「外交の基軸」とうたった日米同盟を結果的に危うくすることになる。 ◇辺野古84%反対 知事容認は困難 鳩山氏が党代表として昨年の衆院選で訴えた「最低でも県外」が守れず、自民党政権下で日米が合意した「沖縄県名護市辺野古移設」をほぼ追認したことは、民主党政権に対する沖縄の不信感を決定的にした。毎日新聞と琉球新報が5月末、沖縄県民を対象に実施した合同世論調査では、辺野古移設に「反対」