川が好きで、川を守るために奔走してきた姫野雅義さん(63)が、アユ釣りに出かけた海部川で遺体で見つかった。「第十堰(ぜき)の保全を実現したい」と新たな活動を始めた矢先だった。 姫野さんが見つかったのは、海部川河口から7キロほど上流の川岸。 行方不明になった3日に姫野さんが車を止め、釣りをしたとみられるポイントは、遺体の見つかった場所から約6キロ上流にある。姫野さんはここを「姫野の瀬」と呼ぶほど気に入っていたという。「大きなアユが釣れる」。姫野さんがうれしそうに話すのを川の仲間たちは聞いていた。 ■「民意反映扉開いた」 石組みの第十堰を壊して鋼鉄の可動堰を造ることが、本当に必要なのか。川は大丈夫なのか――。姫野さんらが「第十堰住民投票の会」をつくったのは1998年のことだ。10万人余りの有効署名を集めたのに徳島市議会は否決。それでもあきらめず、99年4月の市議選で独自候補を当選させ、可決させ