[第1回]ジョナサン・バックマン ジョナサン・バックマン Jonathan Bachman 米国/ロイター そこをどかないと逮捕されるぞ——。誰かの声がしてジョナサン・バックマンが振り返ると、そこに彼女がいた。黒人男性が警察官に射殺される事件が起きたバトンルージュで、警察に抗議するデモと機動隊のにらみ合いを取材し始めて、2日目のことだった。 彼女は、デモの参加者が歩道に立ち退かされて誰もいなくなった大通りに、ひとり立っていた。静かに、ドレスの裾を風になびかせながら。対する警察官2人は全身を重装備で固めている。そして、彼女は静かに連行されていった。シャッターを押し続けて、31コマ。数秒間のできごとだった。 「すっかり有名人だな!」。翌朝、父親からの電話で、この1枚が世界を駆け巡っているのを知った。メディアは「忘れられない1枚」と絶賛した。 自身もこの写真に満足しているが、それは、この1枚が事
![世界報道写真展から――その瞬間、私は/ドレスを風になびかせて -- 朝日新聞GLOBE](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/081325f5e8366a3199b1d39a106f183dc0d34a95/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fglobe.asahi.com%2FS2101%2Fupload%2F2017062700002_1.jpg)