公益事業では認められない多額の利益を上げていた財団法人「日本漢字能力検定協会」(京都市下京区)が、協会の大久保昇理事長が代表を務める広告会社「メディアボックス」(同市西京区)に、広報費など年2億~3億円の業務委託費を払いながら、文部科学省の調査に対し、報告していなかったことがわかった。 文科省が昨年10月に調査した際、協会は、出版会社と情報処理会社にビル賃借費や検定料決済事務代行費で年計約2億円を支払っていると報告したが、今年になって、両社と同じ所在地に登記されているメディアボックスの存在が判明。同省の再調査に、協会は広報企画や機関誌作成などの業務委託で2006~08年度で計約8億円を支払ったと説明したという。同省は、公益法人が法人関係者の有利になる取引を結ぶことを禁じた指導基準に違反する恐れがあるとして、近く行う緊急の立ち入り検査で、業務実態や、代価が適正だったかを調べる。協会は読売新聞