不法滞在で強制退去を命じられたフィリピン人の両親と高校生の長女が処分の取り消しを求めていた裁判で、東京高等裁判所は長女について、「日本で生まれ育ち、フィリピンに送還された場合、生活習慣への適応などが困難で、大きな損失を被るおそれがある」として、強制退去処分を取り消しました。 この裁判は、不法滞在しているフィリピン人の両親と、日本で生まれた16歳の高校1年生の長女が、東京入国管理局から出された強制退去処分の取り消しを求めているもので、親子は1審が訴えを退けたため控訴していました。 19日の2審の判決で、東京高等裁判所の山田俊雄裁判長は長女について、「日本で生まれ育ち、フィリピンに送還された場合、生活習慣への適応や言語の習得などが困難で、大きな損失を被るおそれがある」と指摘しました。 そのうえで、「特別に在留を許可すべき事情があると認められ、許可をしなかった判断は著しく妥当性を欠き違法だ」とし