ツイート 編集部注:本記事は翻訳家・平井和也氏の寄稿。同氏は、人文科学・社会科学分野の日英・英日翻訳をおこなっている。 本稿では、ウクライナの軍需産業に注目してみたい。というのも、ウクライナ危機の裏で同国の軍事技術が流出する恐れがあるからだ。帝政ロシア時代から重工業や炭坑で栄えたウクライナは、現在もロシアとの間で密接な産業の結びつきを保っており、軍需産業もその中に含まれている。 ロシアとウクライナの軍需産業の緊密な結びつき ロシアの軍事、安全保障政策、軍需産業政策などを専門とする小泉悠氏(財団法人未来工学研究所客員研究員)は4月24日付けでJBpressに発表した論考「ウクライナで軍事技術流出の危機 中国が早くも触手伸ばす」の中で、ロシアとウクライナとの軍需産業および航空宇宙産業における密接な関係について、次のように述べている。 ソ連時代、ウクライナには陸海空宇宙にわたる多くの軍需産業拠点