“寄生虫がいるとアレルギーになりにくいという話”ってのを以前はよく見聞きする。特定の仮説を支持する学者の意見がメディアで採り上げられ、その反論が一般に知らされることなく、いつのまにか常識化してしまう代表的事例ではないかと思う(藤田先生の寄生虫とヒトの共生の考え)。この寄生虫に関する仮説は論文を検索すれば、衛生仮説の極一分野に過ぎずない。 “古くからの友人”(人間と共存している微生物たち)として、感染と隔する観点から観察しうるという考え方。これは寄生虫だけでなく、細菌、ウィルスなども対象で、特に見受けるのは、細菌のエンドトキシン、室内中の濃度測定など検討されているようである。 もともと、衛生仮説(Hygiene hypothesis)は、まず、寄生虫ありきではなく、Strachan(1989)らの、学童での花粉症・湿疹の疫学研究がオリジナルとされ、兄弟が多いほど感染症が多く、結果的にそれがア