私はアート系の学部で教える一介の教師だが、前学期から胸躍る冒険の旅に出ている。というのは、ディジタル・メディア・ラボにあるほぼすべてのMacintoshからMac OS Xを削除し、Ubuntuをインストールしたのだ。 ソフトウェアを入れ替えようかと真剣に検討し始めたのは昨年度のことだ。今出回っているフリーソフトウェア・プログラムであれば、私のクラスの学生には十分だということがわかったからである。アート系学部の学生も、PhotoshopやQuarkXpressやDreamweaverのようなプロプライエタリ・プログラムではなく、GIMPやScribusやQuanta Plusといったフリーソフトウェア・プログラムを学ぶ時代になったと考えたのである。 ディストリビューションとアプリケーションの選定 まず検討したのは、GNU/Linuxのディストリビューションである。一クラス分の学生たちが毎日