地元で愛されるあの店のあの料理が、どうやって生まれたのかを検証するシリーズ企画【名物誕生秘話】。今回は金石街道沿いにある金沢カレーの老舗『てきさす』で、お客さんの半数以上が注文するという名物「テキサスロール」の歴史を辿ってみました。 店主の道上裕夫さん。 だれにも真似できないものを追求しました 金沢カレーの源流として知られる「インディアンカレー」出身の道上裕夫さんが『てきさす』を開業したのは1974年。ちょうど西城秀樹がバーモンドカレーを食べながら「ヒデキ、感激」なんてやってた頃、秀樹よりちょっと年上の22歳という若さで独立した。 「テキサスロールをやり始めたのは店を開いて10年くらい経ってからかな。兄弟が居酒屋をやってるんだけど、そこの板前さんと『だれにも真似できないメニューはないもんか』なんて話をよくしていて。そのときの会話をヒントにして生まれたんだ」。道上さんは当時の思い出をそう振り