【ワシントン白戸圭一】オバマ米大統領は28日、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したと断定し「国際規範に違反した国に責任を取らせる」と軍事攻撃に踏み切る構えを見せた。だが、国連安保理常任理事国の中露は武力行使を容認する安保理決議に反対している。人道的措置として決議なしで攻撃した1999年のユーゴスラビア空爆が念頭にあるとみられるが、決議なしで攻撃を始めれば、国際法上の合法性が問われる可能性が強まっている。 【シリア市民は胸中複雑】米欧介入の動き 生活混乱の恐れも 米国務省のハーフ副報道官は28日の記者会見で「重要なのは化学兵器使用を見過ごさないとの強いメッセージを送ることだ」と述べ、安保理決議が成立しない場合でも、軍事攻撃を辞さない考えを強調した。 シリア政府は化学兵器の生産・貯蔵・開発・使用を禁じた化学兵器禁止条約(1997年発効)には未署名だが、化学・生物兵器の使用を禁じたジュネー