福井県立恐竜博物館は5日、同県勝山市の1億2000万年前(白亜紀前期)の地層から原始的な鳥類の化石が、ほぼ全身がそろった状態で見つかったと発表した。 鳥類の全身骨格としては国内最古の発見例とみられ、6日から同館で展示する。 化石は岩盤から取り出せていないが、現時点で、全身の5割以上に相当する100点以上の骨が確認されている。上腕骨や大腿(だいたい)骨の大きさなどから、全長は約60センチで、翼を広げると約1メートルの成体だったと推定。骨の形状は中国東北部で発見された原始的な鳥類「サぺオルニス」に似ているが、上腕骨と大腿骨の長さの比率が異なり、新種の可能性が高いという。 国内では石川県白山市で1億3000万年前の地層から現在の鳥類に近い「エナンティオルニス類」の骨の一部が見つかっている。今回はより原始的な種類で、この時期の鳥類の全身骨格が見つかるのは、国内では初という。 同館の東洋一・特別館長