ことしのノーベル文学賞に、中国の農村に生きる人々の姿を描いた小説を書き続ける、中国の作家、莫言氏が選ばれました。 これは、スウェーデンのストックホルムにある選考委員会が、日本時間の11日夜、発表したものです。 莫言氏は、1955年に中国の山東省高密県の農家に生まれた57歳。 人民解放軍に所属しながら1986年に発表した長編小説、『赤い高粱』は、第2次世界大戦中の中国の農村を舞台に、人々のたくましい生命力を描いた莫言氏の出世作で、中国を代表する映画監督、チャン・イーモウ氏が、女優、コン・リーさんを起用して映画化もされ、話題を集めた作品です。 また1996年に出版された『豊乳肥臀』は、山東省の、ある大家族の盛衰を描いたものですが、共産党を批判し、性表現が過激だとされ、当時、中国国内で問題視されました。 さらに2009年に出版された『蛙鳴』は、中国の一人っ子政策を推進するため、堕胎を行う