※このエントリはフィクションです。全て俺の脳内で作り出された幻、夢日記みたいなもの、ということを踏まえてお読み下さい。 1.ジレンマ 90年代後半から00年代にかけて、ホームレス問題の解決はこの国でも懸案事項だった。草の根ではそれよりずっと前から継続的に支援活動が行われてきたが、政府がこの問題に曲がりなりにも取り組みだしたのはこの頃だ。具体的には小泉政権下でいわゆる「ホームレス自立支援特措法」が制定されるのと前後して、ホームレス状態にある人のホームレスからの脱却を支援する試みが始まった。 それとは別に、従来から生活困窮者へのセーフティネットとしては生活保護制度があったが、この制度をホームレス状態にある人に適用するのには、ひとつのハードルがあった。それは「住居」の有無だ。簡単に言えば、住居がないホームレスは生活の実態がつかみづらく、そのため生活保護を適用すべきかどうか判断が難しいとされていた