第8回LSI IPデザイン・アワード「IP優秀賞」受賞者インタビュー チップ間の誘導結合で 「Cell」プロセサの3.3倍の通信速度1Tビット/秒を実現 慶應義塾大学の三浦典之氏らは,無線によるLSIチップ間の通信技術でトップ・レコードを出した研究開発が評価され,2006年のLSI IPデザイン・アワード優秀賞を受賞した(図1)。開発したのは,チップ同士がオンチップ・コイル間の誘導結合を介して無線で通信する技術。実際に回路をチップに集積し,1024チャンネルがクロストークすることなく無線で通信できることを実証した(図2,表1)。しかも,試作したチップは極めて高い性能を実現している。通信速度は1Tビット/秒,消費電力は3mW/Gビット/秒すなわち3pJ/ビット,面積は1mm2/Tビット/秒を達成した(図3)。ここでは彼らの研究開発秘話を紹介する。 トップ・レコードの出発点 研究の出