夕方歯医者に行ったよ 口臭が尋常でないと歯科助手は言うよ 歴史上の偉人について先生は得意げに語るけれども その偉人はたくさんの市民を殺めているよ それでも構わないとあなたがくれた新撰組の隊旗 お弁当包みに打って付けだからと祖母 アナログ放送は終わったんだと教えてあげるよ
大船観音の足元にあるファミレスで宗教家ハナゲーノフ(仮名)の鼻を穴があくほど凝視していた。左側の鼻の穴からは少しだけ、右側の穴からは豪快に毛が飛び出していた。《野郎、右利きだ…》。「FBI心理分析官」をブックオフで購入熟読記憶し、《趣味》の欄に「日曜プロファイリング」と記入する資格を得た僕は、冷静に男の利き腕を見極め、ぼくたち(わたしたち)は今日旅立ちます(たびだちまーす)って小学校の卒業式、クラスの代表として呼びかけをおこなって以来の真剣さを発揮して右の耳から左の耳へ男の話を聞き流していた。 僕の心ここにあらずに気がついたハナゲーノフが言う。「話聴いてますか?」「すみません今一瞬だけ意識がGスポットにはまってました」「冗談がお好きな方だ…」。僕はマジで話を聞かずにシャロンのオッパイを想っていた。「ヘルタスケルター」を聴いて「おおこれ天啓!」と自分勝手に思い込んだ馬鹿に殺された美しき哀しき
何かおかしい、何となくそんな気がした。そのとき、徹夜明けの僕は、お見合いを忘れるように足を運んだ、「おはようございますプロデューサー!」なーんてカワイイ女の子がしなしな挨拶してくれる《アイドル育成カフェ》について考えていた。ポイントが貯まると記念撮影やら何やら楽しいことができるシステムの《アイドル育成カフェ》に行ってしまったら、「誰だってエビちゃんになれる」的特集が毎号掲載されている小悪魔アゲハを読み、経典の如く崇め、個性も何もなくなってしまったキャバクラなんて過去の遺物、「諸君らが愛してくれたキャバクラは死んだ。なぜだ!?」「アフター出来ないからさ」。 ついでにお見合いも死ねばいいのになんて。諸君らが企ててくれたお見合いは死んだ。なぜだ!?インポだからさ、つって。わあ今度はどのアイドル候補生を応援しよーなんて考えていると、なんとなーくそろそろノッピー☆が騒ぎ出すような気がした。ノッピー☆
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