3月13日の夜、グルジアの「イメディ」という政府系テレビ局が、ある番組を放送した。5月30日に行われる首都トビリシの市長選挙で、もしも「親ロ」の野党候補が勝ったら政局はどういう展開になるかを予想し、視聴者に最悪のシナリオを紹介するという番組だった。 シナリオによれば、選挙後、治安が乱れ、群衆と警察が衝突。4人が射殺される。同時に、グルジアから離脱した南オセチアで政府首脳の車が狙撃される。 それを受けてロシアのメドベージェフ大統領が緊急安全会議を開く。メドベージェフ大統領は「我々の兄弟、グルジア国民を救援しよう」と声明を出し、ロシア軍がグルジアに侵攻する。グルジアでは親ロの野党勢力だけではなく、軍の一部もロシア側に寝返る。 番組を途中から見た一般市民は、架空の話だとは思わずにびっくりしてしまい、知り合いに「ロシア軍が攻めてくる」と電話をかけた。その結果、グルジア中がパニック状態に陥った。 番