2011年8月8日、「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」は、秘密保全法制を早急に整備すべきである旨の「秘密保全のための法制の在り方について(報告書)」を発表した。その上で、政府における情報保全に関する検討委員会は、2011年10月7日、次期通常国会への提出に向けて法案化作業を進めることを決定した。 当該秘密保全法制については、以下に述べるように、国民主権原理から要請される知る権利を侵害するなど、憲法上の諸原理と正面から衝突するものであり、国民の間で議論が十分になされていない状況下で立法化を早急に進めることは、民主主義国家の政府の態度として極めて問題である。 当該秘密保全法制検討のきっかけとなった尖閣諸島沖中国船追突映像流出は国家秘密の流出というべき事案とは到底言えないものであり、立法を必要とする理由を欠くと言わざるを得ない。仮に、秘密とされるべきものがあるとしても、秘密保全の
当連合会は、死刑のない社会が望ましいことを見据えて、本年10月7日、第54回人権擁護大会において「罪を犯した人の社会復帰のための施策の確立を求め、死刑廃止についての全社会的議論を呼びかける宣言」を採択した。 我が国では、刑罰制度として死刑制度を存置しているが、死刑はかけがえのない生命を奪う非人道的な刑罰であることに加え、更生と社会復帰の観点から見たとき、罪を犯したと認定された人が更生し社会復帰する可能性を完全に奪うという根本的問題を内包している。かねてより、死刑制度については様々な問題点が指摘されているが、これまでに4件の死刑判決が再審により無罪となったことからも明らかなように、常に誤判の危険をはらんでおり、死刑判決が誤判であった場合にこれが執行されてしまうと取り返しがつかないという根本的な欠陥がある。さらに、現在の死刑執行方法である絞首刑については、去る10月31日に死刑判決が言い渡され
会長声明集 Subject:2010-12-3 「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例案」に関する会長声明 本年11月22日、東京都知事は、インターネット規制と児童ポルノ規制を柱とする「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例案」(以下「新条例案」という。)を発表した。新条例案は、去る3月議会に提出された条例案が、本年5月11日付けの当連合会会長声明を含め多数の反対を受けて可決に至らなかったという経緯を踏まえて、一部修正されたものである。しかし、新条例案では、依然として、当連合会がこれまで指摘してきた問題点が十分には解消されていないため、当連合会は、新条例案に対しても改めて反対する。 すなわち、新条例案は、「刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為……を、不当に賛美し又は誇張する」漫画やアニメーション等を規制の対象とするが(7条)、「不当に賛美」や「
会長声明集 Subject:2010-4-2 中国政府の邦人に対する死刑執行通告に関する会長声明 中国政府は、麻薬密輸の罪で死刑判決が確定している日本人男性に対し近く死刑を執行すると、3月30日までに日本政府に通告したとのことである。 しかしながら、わが国が批准し、中国がすでに署名している国際人権(自由権)規約(以下「規約」という。)の第6条2項は、「死刑を廃止していない国においては、死刑は、犯罪が行われた時に効力を有しており、かつ、この規約の規定及び集団殺害犯罪の防止及び処罰に関する条約の規定に抵触しない法律により、最も重大な犯罪についてのみ科することができる。」としており、自由権規約委員会は、その一般的意見6(16)において「『最も重大な犯罪』 の表現は死刑が全く例外的な措置であることを意味するように厳格に解釈されなければならない」と述べている。「最も重大な犯罪」とは、少なくとも人
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く