高田大介さんのブログ記事「うなぎ文の一般言語学」に触発された。以前書いた「フランス語のウナギ文」の続きを書くことにする。まずは念のためウナギ文の実例を挙げておこう。死後の世界で交わされたやりとりとして読んでもらいたい。 A:それで皆さんは何に食い殺されたんですか? B:私はトラです。 C:俺ライオン。 D:僕はウナギだ。 太字で強調したのがウナギ文。これについて高田さんは次のように書いておられる。 管見では「うなぎ文」は世界共通、ほとんど普遍的な言語現象ではないだろうか。ただそこには文法学者や教師が「ぱっと認めたくないイロジックな感じ」がある、そこがしばしば用例を否定される原因になっているのである。 高田氏の記事では、日本語はもとより英語、ドイツ語、中国語、トルコ語その他の例が豊富に挙げられているけれど、私の場合もっぱらフランス語にそれを探った。 ウナギ文はその名前のもとになった「僕はうな