【ウィーン樋口直樹、テヘラン鵜塚健】核兵器開発の疑いが持たれているイランで今月中旬、ウラン濃縮施設のすべての遠心分離機が一時的に停止していたことが23日、国際原子力機関(IAEA)の報告書で明らかになった。原因などは明らかにされていないが、専門家の間では、新種のコンピューターウイルスによる「サイバー攻撃」説も浮上している。 ◇「サイバー攻撃」説も 毎日新聞が入手したイラン核問題に関する天野之弥IAEA事務局長の報告書によると、イラン中部ナタンツのウラン濃縮施設で今月16日、約8400台の遠心分離機がすべて停止していることが確認された。イランは22日、同日までに約4600台が再稼働したとIAEAに報告した。報告書は停止期間や原因には触れていない。 同施設では近年、遠心分離機の稼働率の低下が目立っていた。09年2月は約7割だったが、今年8月末までに約4割に低迷。今月5日に6割弱の稼働が確