【カイロ和田浩明】リビアの反カダフィ派統治機構「国民評議会」のジブリル暫定首相は29日、難航している新政権樹立交渉の中断を決めたと表明し、自らは入閣の意図がないことも明らかにした。評議会は当面、最高指導者だったカダフィ大佐の支持派が残る拠点都市の攻略に集中するという。ロイター通信などが報じた。 ジブリル氏の発言は、反カダフィ派の中で勢力争いを展開する各派をけん制し、カダフィ派からの国土解放という従来の目標を改めて強調して求心力を高める意図があるとみられる。ジブリル氏は8日にも「政治的ゲームが始まっている」と発言、仲間割れの可能性に警鐘を鳴らしていた。 首都トリポリは8月下旬に反カダフィ派が制圧したが、カダフィ派は北中部シルトと西部バニワリードに籠城(ろうじょう)し、頑強に抵抗している。ロイター通信によると、反カダフィ派は29日、シルトの空港を制圧したと述べたが、攻略戦は長期化しており予