「生まれてきた社会に原発があって、被曝していく子どもがいるとしたら。少し体調を崩しただけでおびえ、悩む生活が一生続くとしたら、あんまりだと思う。私はいま、すべての原発を止めたい」。東日本大震災の被災地支援や脱原発の活動に追われたこの1年。作家・落合恵子さん(67)は、「息苦しく濃密な時間でした」と穏やかに振り返る。 それまでも、講演で全国を飛び回る生活だったが、昨年4月には、被災地の子どもに本を送るプロジェクトを立ち上げ、9月には大江健三郎さんらとともに、呼びかけ人として署名運動「さようなら原発1000万人アクション」を始めた。歯が抜けても治す暇がないほど忙しく、「髪形からして、この怒髪でしょ。みんなに山姥とからかわれています」。 大学卒業後、1967年に文化放送に入社。若者に人気の深夜番組「セイ!ヤング」などでDJを務めた。「レモンちゃん」の愛称で呼ばれ、アイドルのような存在だったが