AIJ投資顧問による年金消失問題で、浅川和彦社長(59)が「逆張り」というリスクの高い投資方法でデリバティブ(金融派生商品)の売買を繰り返した結果、多額の損失を出していたことが23日、証券取引等監視委員会の調査で分かった。 監視委は、運用損を穴埋めするために高リスクの取引を行い、さらに損失を拡大させていったとみて解明を進めている。 逆張りは、下落局面で購入するなど、相場の流れと反対の売買をする投資手法。相場の流れに沿う「順張り」と比べ、タイミング良く反転すれば大きな利益を得られるが、裏目に出た場合の損失も大きい。 監視委によると、一部の運用を任されていたAIJの担当社員は比較的堅実な投資を行っており、利益を出した社員もいたという。しかし、資産の大半を運用していた浅川社長は、国債の先物取引など高リスクのデリバティブを中心に、ほとんどの売買を逆張りで実施。思惑が外れ損が出ても手じまいせず