3月の東日本大震災以来、気になっている言葉がある。風評、である。 「風評被害に悩む福島県の農家」とか「風評被害のために観光客が激減し」とかいうようにそれは使われる。いずれも福島第1原発の事故による放射能汚染、ないし放射能汚染疑惑にもとづく「被害」である。「風評被害」という言葉で示される事態には、しかし何種類かあるようだ。関連記事首相は「歩く風評被害」日光の旅館組合が損賠請求へ 「風評被…記事本文の続き (1)国内における農産物や水産物の買い控え。 (2)海外での日本製品に対する過剰な輸入規制。 (3)国内および海外からの旅行客の減少。 (4)福島県からの避難者が宿泊を拒否されたなどの、人に対する差別。 これらをいっしょにすること自体、ちょっと乱暴なのではないか。 ■基本的人権 まず(4)からいくと、このような事態は「人への風評被害」なんていうレベルの話ではない。「誤った認識にもとづく明らか