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ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (144)

  • ネオファシズムの時代? - himaginary’s diary

    3日エントリで、今のポピュリズムは実はファシズム(ないし、現代風の呼び方にするならばネオファシズム)ではないか、というデロングの論考を紹介したが、国際経済交流財団とスタンフォード大学アジア太平洋研究センターがスタンフォードで開いたコンファレンス*1でフランシス・フクヤマと初めて会ったことを機に、デロングがその論考をさらに深めている。 彼はまず、そもそものポピュリズムについて以下のように考察している。 The original American populists were reality-based small farmers and others, who accurately saw railroad monopolies, agricultural price deflation, and high interest rates as crippling their ability

    ネオファシズムの時代? - himaginary’s diary
    paravola
    paravola 2017/06/20
    ラテンアメリカのポピュリズムの問題点は...価格統制、最終的に持続不可能な債務をもたらした財政拡張策、高関税は、最初の5年程度は機能しているように思われた点でとりわけ有害であり、間違った補償策であった
  • 国家建設、ナショナリズム、および戦争 - himaginary’s diary

    アレシナが表題の少し毛色の変わったNBER論文の共著者に名を連ねている。原題は「Nation-Building, Nationalism and Wars」で、著者はAlberto Alesina(ハーバード大)、Bryony Reich(ノースウエスタン大)、Alessandro Riboni(エコール・ポリテクニーク)。 以下はその要旨。 The increase in army size observed in early modern times changed the way states conducted wars. Starting in the late 18th century, states switched from mercenaries to a mass army by conscription. In order for the population to

    国家建設、ナショナリズム、および戦争 - himaginary’s diary
    paravola
    paravola 2017/06/14
    18世紀後半から、国家は傭兵から徴兵制による大軍隊に移行した。人々に戦いを受け入れさせ戦争に耐えさせるため、政府の指導層は公共財の提供を始め、レントの搾取を減らし、人々を均質化する政策を採用した
  • 紙幣とデジタルのバランス - himaginary’s diary

    少し前に中国のキャッシュレス社会の進展がツイッター上で話題になったことがあったが、マレーシア中央銀行副総裁のEncik Abdul Rasheed Ghaffourが、今月半ばにクアラルンプールで開かれた通貨会議のウエルカムスピーチで、その問題について論じている(H/T Mostly Economics)。 そこで彼は、デジタル化の進展について論じた上で、以下のように述べている。 However, despite these observations, central banks around the globe expect cash to stay necessary and never go away. There are several reasons for this but ultimately they boil down to having a good mix of bo

    紙幣とデジタルのバランス - himaginary’s diary
    paravola
    paravola 2017/06/03
    マレーシア中央銀行副総裁のEncik Abdul Rasheed Ghaffourが、今月半ばにクアラルンプールで開かれた通貨会議のウエルカムスピーチで、その問題について論じている
  • 極論から主流へ:如何に社会規範は崩壊するか - himaginary’s diary

    というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「From Extreme to Mainstream: How Social Norms Unravel」で、著者はLeonardo Bursztyn(シカゴ大)、Georgy Egorov(ノースウエスタン大)、Stefano Fiorin(UCLA)。 以下はその要旨。 Social norms are typically thought to be persistent and long-lasting, sometimes surviving through growth, recessions, and regime changes. In some cases, however, they can quickly change. This paper examines the unraveling of social

    極論から主流へ:如何に社会規範は崩壊するか - himaginary’s diary
    paravola
    paravola 2017/06/03
    (リフレ)良きにつけ悪しきにつけ、人々の言動は一般的な社会規範に制約される。規範が崩壊し始めると、人々の言動は驚くほど急速に変わる
  • インフレは貧困家庭を苦しめるのか、それとも助けるのか? - himaginary’s diary

    EconospeakのProGrowthLiberal(PGL)が、カンザス連銀総裁のエスター・ジョージの以下の発言を紹介している。 Keeping monetary policy easy to achieve higher inflation has the potential to push rents still higher, negatively affecting a large percentage of households. Consequently, I am not as enthusiastic or encouraged as some when I see inflation moving higher, especially when it has been driven by a sector like housing. Inflation is a ta

    インフレは貧困家庭を苦しめるのか、それとも助けるのか? - himaginary’s diary
    paravola
    paravola 2017/06/03
    (いちおう気にしてたと)雇用に重点を置く金融政策方針の恩恵は、高く変動的なインフレという形で現れる付随的なコストを上回る
  • 米国はバナナ共和国への第一歩を踏み出したのか? - himaginary’s diary

    トランプのキヤリア社への圧力を取り上げたサマーズ論説(WaPo、人サイト)に、クルーグマンとマンキューが反応した。 以下はクルーグマンの反応。 ...as Larry Summers says, the precedent — although tiny — is not good: it’s not just crony capitalism, it’s government as protection racket, where companies shape their strategies to appease politicians who will reward or punish based on how it affects their PR efforts and/or personal fortunes. That is, we’re looking at what

    米国はバナナ共和国への第一歩を踏み出したのか? - himaginary’s diary
    paravola
    paravola 2017/05/20
    (社会権、政府による人権)「権力の最悪の形での濫用には、指導者が人々に押し付けるものではなく、人々が指導者に要求する行動が含まれる」
  • 米国は多くの人にとって発展途上国に後退しつつある - himaginary’s diary

    というINETブログ記事でピーター・テミンの下記の新刊が取り上げられている。原題は「America is Regressing into a Developing Nation for Most People」で、著者は同研究所のSenior Research AnalystであるLynn Parramore。 The Vanishing Middle ClassPrejudice and Power in a Dual Economy【電子書籍】[ Peter Temin ] ジャンル: ・雑誌・コミック > 洋書 > SOCIAL SCIENCEショップ: 楽天Kobo電子書籍ストア価格: 2,743円 In a new book, The Vanishing Middle Class: Prejudice and Power in a Dual Economy, Peter Te

    米国は多くの人にとって発展途上国に後退しつつある - himaginary’s diary
    paravola
    paravola 2017/05/13
    (再々:リフレ)FTE市民は、残りの8割の米国人が暮らすもう一つの国である低賃金部門を訪れることは滅多にしない/世界で最も裕福な経済大国は、発展途上国のような政治経済構造になりつつある
  • カモとしての日本企業の後継 - himaginary’s diary

    Chris Arnadeという人が、元ウォール街トレーダーという視点からギリシャ危機についてThe Atlanticに書いている。(H/T Economist's View)。 以下はその冒頭部。 One of the first lessons I was taught on Wall Street was, “Know who the fool is.” That was the gist of it. The more detailed description, yelled at me repeatedly was, “Know who the fucking idiot with the money is and cram as much toxic shit down their throat as they can take. But be nice to them firs

    カモとしての日本企業の後継 - himaginary’s diary
    paravola
    paravola 2017/02/08
    私がウォール街で教えられた最初の教訓の一つは、「誰が馬鹿なのかを識別しろ」というものだった...入社した時には、日本の顧客(概ね中小銀行と大手製造業)が馬鹿と見做されていた
  • 安全資産は不足しているのか? - himaginary’s diary

    というテーマを巡って、デビッド・ベックワースとArpit Guptaというブロガーが論争している。 ベックワースが1/6エントリの(1)でこれまでのまとめを行っているが、彼の主張は、基的に、ここの最後で紹介したようなカバレロ=デロング=Stephen Williamsonの見方と同じく、安全資産への超過需要ないし供給不足が生じていることが今の問題、というものである*1。 安全資産の不足が問題になる理由についてベックワースは、12/19エントリで以下の2つを挙げている。 トリプルA債はレポ取引の担保となるが、Gary Gorton*2はレポ取引がシャドウバンキングシステムでは預金口座と等価であることを示した。従って金融危機に伴う格下げによるトリプルA債の消失は、貨幣の消失と同等の効果をもたらす*3。 トリフィンのジレンマと同様のことが生じる。ここでトリフィンのジレンマとは、基軸通貨を有する

    安全資産は不足しているのか? - himaginary’s diary
    paravola
    paravola 2017/01/30
    トリフィンのジレンマとは、基軸通貨を有する国は世界的な需要に応えるため国内で必要とされる以上の通貨を発行し、経常赤字を計上するが、まさにその経常赤字ゆえに基軸通貨としての地位が危うくなるというもの
  • 2017-01-29 - himaginaryの日記

    デロングがNAFTAに関する長文の論考をVOXに書いた(H/T Economist's View、石町日記さんツイート)。それにダニ・ロドリックが自ブログの表題のエントリ(原題は「What did NAFTA really do?」)で反応した(H/T Economist's View)。 ロドリックはまず、製造業の雇用の減少にNAFTAはあまり影響していない、というデロングの主張に賛意を表している。 I agree with much that he says – in particular with the points that the decline in manufacturing employment has been a long-term process that predates NAFTA and the China shock and that it is driv

    2017-01-29 - himaginaryの日記
    paravola
    paravola 2017/01/29
    最も影響を受けた労働者は、関税保護に大きく頼っていた産業で働いていた高校中退の労働者です。そうした労働者は、影響を受けなかった産業に比べて、最大17%ポイントの賃金の伸びの低下を経験しました
  • 経済学基本原理誇張主義 - himaginary’s diary

    ノアピニオン氏が、経済学入門で習うような基原理の正しさを過大に評価する傾向を「101ism」と呼んだ*1。それを受けてクルーグマンが、「101 Boosterism」というブログエントリを書いている。そこで彼は、仮に経済学原理が正しいとしても、それが重要であるとは限らない、という点を指摘している。その例としてクルーグマンは、自分のホームグラウンドである国際貿易の分野から、かつてサミュエルソンが明白ではないが真実である経済学の洞察の好例、と称した比較優位を挙げている。 Now, there are a variety of reasons why, despite this big insight, free trade may not be the right policy – that’s Noah’s 101ism. But I want to make a different

    経済学基本原理誇張主義 - himaginary’s diary
    paravola
    paravola 2017/01/27
    (クルーグマン)これは重要な洞察であるが、自由貿易が正しい政策とはならない理由は数多く存在する/「それが問題のすべてないし解決法のすべてであるなどと考えてはいけない」
  • トランプとゴルバチョフ - himaginary’s diary

    と題したエントリをブランコ・ミラノビッチが書いている(H/T Economist's View)。 The juxtaposition of these two names in the title may come as a surprise to many readers. What do a social-democrat who wanted to reform Communism, and the billionaire right-wing populist magnate have in common? Indeed, if we focus on their ideologies and individual histories (to the extent that they matter) nothing—not “almost nothing”, but “nothi

    トランプとゴルバチョフ - himaginary’s diary
    paravola
    paravola 2017/01/22
    (連想する人がここにも)この2つの名前を並べたことは多くの読者にとって驚きだろう。しかし構造主義的な観点から見るならば、共通点は明らかである。彼らは支配階級に属しているが、それと敵対している
  • 貿易と事実と政治と - himaginary’s diary

    12/4にクルーグマンが、貿易と雇用に関する混乱を明確化する、として簡単なメモを書き、ブログで紹介した。以下はそのメモからの引用。 1. How much of a role did trade play in the long-term decline in the manufacturing share of total employment, which fell from around a quarter of the work force in 1970 to 9 percent in 2015? The answer is, something, but not much. 2. How much of a role did trade play in the absolute decline in manufacturing employment, down about 5

    貿易と事実と政治と - himaginary’s diary
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    paravola 2017/01/04
    民主党はセーフティネットを大きくすることで対応しようとしているようだが、人々は生活保護の小切手は欲していない。彼らは職を欲しているのだ。そしてトランプは、兎にも角にもそれを提供しようとしている
  • ベイズの定理はキリスト教の擁護から始まった - himaginary’s diary

    というブログエントリにEconomist's Viewがリンクしている。そのエントリは、脳科学とベイズの定理を扱ったノーチラス誌*1のブログ記事の冒頭部を引用したものである。 以下はその冒頭部。 Presbyterian reverend Thomas Bayes had no reason to suspect he’d make any lasting contribution to humankind. Born in England at the beginning of the 18th century, Bayes was a quiet and questioning man. He published only two works in his lifetime. In 1731, he wrote a defense of God’s—and the British mo

    ベイズの定理はキリスト教の擁護から始まった - himaginary’s diary
    paravola
    paravola 2016/12/25
    ヒュームは奇跡を目撃したという証言が数多くあることの重要性を過小評価したが、ベイズの結果は...あり得ないような出来事の低い確率を覆すことができ、それを事実として確立することができるという手法を示した
  • トランプの大規模インフラ投資計画? これは罠だ。 - himaginary’s diary

    と題したWaPo論説を、オバマ政権やヒラリー・クリントンの選挙活動で顧問を務めたロン・クラインが1ヶ月ほど前に書いている。原題は「Trump’s big infrastructure plan? It’s a trap.」で、アクバー提督の有名な台詞を意識しているのかな、と思ったら、案の定そうだった。 以下はその冒頭。 As the White House official responsible for overseeing implementation of President Obama’s massive infrastructure initiative, the 2009 Recovery Act, I’ve got a simple message for Democrats who are embracing President-elect Donald Trump’s i

    トランプの大規模インフラ投資計画? これは罠だ。 - himaginary’s diary
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    paravola 2016/12/25
    (興味深い)トランプの計画は実際にはインフラ投資計画ではない/それは公益事業や建設部門への投資家への減税計画であり...利益の出る建設計画に資金を拠出する民間投資家への税控除計画である
  • 日本の人口動態が生産性とインフレに与える影響 - himaginary’s diary

    というIMF論文が出ている。原題は「The Impact of Demographics on Productivity and Inflation in Japan」で、著者はYihan Liu、Niklas Westelius。 以下はその要旨。 Is Japan’s aging and, more recently, declining population hampering growth and reflation efforts? Exploiting demographic and economic variation in prefectural data between 1990 and 2007, we find that aging of the working age population has had a significant negative impact

    日本の人口動態が生産性とインフレに与える影響 - himaginary’s diary
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    paravola 2016/12/20
    (なんでだ?)全要素生産性は一般に労働者が40代になるまでは上昇するが、その後は退職まで低下していく。例えば日本では、40~49歳の年齢層の労働者が最も生産性が高く、その後の生産性は低下する
  • トランプ勝利の責任の一端は経済学者にもある - himaginary’s diary

    とダニ・ロドリックがProject Syndicateで書いている(H/T Mostly Economics)。 Are economists partly responsible for Donald Trump’s shocking victory in the US presidential election? Even if they may not have stopped Trump, economists would have had a greater impact on the public debate had they stuck closer to their discipline’s teaching, instead of siding with globalization’s cheerleaders. ... There is always a risk t

    トランプ勝利の責任の一端は経済学者にもある - himaginary’s diary
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    paravola 2016/12/04
    経済学者は、今日の貿易協定を「自由貿易協定」と表現するプロパガンダにお墨付きを与えてきたが、環太平洋パートナーシップの条文を読んだらアダム・スミスとデビッド・リカードは草葉の陰で嘆くことだろう
  • マイケル・ポーターが労働分配率低下の犯人? - himaginary’s diary

    という説をルイジ・ジンガレスが唱えている(H/T Economist's View)。 ...most researchers assumed that whatever was not going to labor had to flow to the owners of capital. ...Yet, economic theory distinguishes between labor share, capital share, and profits, i.e. the residuals left after both capital and labor have been paid. ... Distinguishing between capital share and profits allows Barkai to gain some theoretical insig

    マイケル・ポーターが労働分配率低下の犯人? - himaginary’s diary
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    paravola 2016/11/20
    この本でポーターは、企業が価格決定力を上昇させるために参入障壁と競争障壁を作る方法を解説した...即ち、競争が存在すれば、経済の生産と厚生はもっと増えることになる
  • トランプに抗する正しいやり方 - himaginary’s diary

    2月にトランプとベルルスコーニを比較したジンガレスのNYT論説を紹介したが、トランプが大統領に選出された今、改めてジンガレスが表題のNYT論説を書いている(原題は「The Right Way to Resist Trump」;H/T Economist's View)。 Five years ago, I warned about the risk of a Donald J. Trump presidency. Most people laughed. They thought it inconceivable. I was not particularly prescient; I come from Italy, and I had already seen this movie, starring Silvio Berlusconi, who led the Italian gov

    トランプに抗する正しいやり方 - himaginary’s diary
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    paravola 2016/11/20
    トランプは正当な当選者であり、それに対する抗議は、正当か否かを少数のエリートが決定するという感覚を醸成してしまう。何も決定していないうちに批判すれば、本当にひどい決定をした時の抗議の正当性を弱める
  • スティグリッツの政策提言 - himaginary’s diary

    以前、ブランコ・ミラノヴィッチ経由で、スティグリッツが資と富の違いから格差拡大を説明しようとしたことを紹介したが、スティグリッツはその考えを、マイク・コンツァルらと共に、自らが主任エコノミストを務めるルーズベルト研究所(Roosevelt Institute)による政策提言という形でまとめている(Mostly Economics経由の5/27付けVOX記事経由)。 先の紹介エントリでは、 ここでスティグリッツは、以前紹介したポリティコ論説におけるのと同様に、現在の米国型資主義において「ゲームの規則」が操作されていることを厳しく弾劾している(そうした資主義を「エセ資主義(ersatz capitalism)」と呼んでいる)。そして、ゲームの規則を正せば、20世紀半ばの高成長が皆に共有された中流社会への復帰も可能だ、としている。 と書いたが、この提言はまさに「Rewriting the

    スティグリッツの政策提言 - himaginary’s diary
    paravola
    paravola 2016/10/16
    自らが主任エコノミストを務めるルーズベルト研究所(Roosevelt Institute)