【第1回】 米最高裁が特許の有効性の基準に新たな指針を示す KSR判決が与える社会へ影響と米国企業の対応,日本企業の取るべき道を分析 − The Sky Is NOT Falling − 2007年4月30日,米最高裁判所が特許の有効性に関し,これまでの判定基準をくつがえす判断を示した。この判断は,米国社会ばかりでなく,米国で活動する日本企業にとっても大きな影響を及ぼす可能性がある。 特許の有効性は,「非自明性(進歩性)」,「新規性」,「有用性」などで判断される。このうち非自明性については,公知技術を組み合わせた場合,組み合わせが容易に思いつかないものであれば特許として認められる。逆に特許を無効にするためには,組み合わせが容易であることを証明する必要がある。この証明には,先行技術文献に何らかの指導(teaching)・示唆(suggestion)・動機(motivation)があ