究極の「癒し系」ミュージシャン, ジミ・ヘンドリックス 彼の放った轟音は, いったい何人のヒッピーを 救うことができたのか? 1969年8月15日に僕は生まれた。この日付を見て,ピンときたロックフリークも少なくないだろう。今から32年前のこの日,海の向こうのアメリカでは,50万人が集まったというロック史上最大のイベント,ウッドストック・ミュージック&アート・フェアが開催されていた。音楽には人々を動かす力がある,ロックには社会を変える力がある,と,まだ誰もが信じていた幸福な時代だ。 その当時,アメリカでは長引くベトナム戦争に対する批判が高まり,反戦デモや徴兵拒否が相次いでいた。若者たちは「ピース&ラブ」を合言葉に道行く人々に花を配り,「正気の殺人よりも狂気の眠りを」を合言葉にドラッグに溺れていった。ウッドストックに集まってきたのも,多くはそんな若者たち,ヒッピーたちだった。 ジャニス・ジョプ