老眼の症状を改善する目薬「VUITY」が、2021年10月に米国食品医薬品局(FDA)に承認された。老眼に悩む世界中の人々の生活を変えるかもしれない。 老眼は加齢に伴い近距離のものにピントを合わせづらくなる症状で、一般的に40歳以上で発症する。アメリカでは40歳以上の人の約半数が症状を抱えているといわれている。近くのものを見るとき、人は眼の奥にある水晶体のレンズの形を変えて網膜に光を集めることで見えやすくなるように調節しているが、老化すると水晶体が硬くなって変形しづらくなり、老眼になる。 VUITYは、眼が本来持っている瞳孔を小さくする機能を利用して、遠くを見る視力を維持したまま近距離の視力を向上させるものだ。瞳孔が小さくなることで、被写界深度や焦点深度が広がり、自然と異なる範囲に焦点を合わせられるようになるという。 VUITYの有効成分は、眼科治療薬としてすでに使用実績があるピロカルピン